第8話

深夜0時のメッセージ
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2026/07/23 11:47 更新
その日の夜。


ベッドに入ったのに、なかなか眠れなかった。


原因はわかってる。


放課後の相合傘。


近かった距離。


「あなたの方が大事。」


そう言った太智の声。


あなた 「……もう。」


枕に顔を埋める。


思い出すだけで恥ずかしい。


好きになってしまったせいで、太智の言葉ひとつひとつに振り回されている。


時計を見る。


23時58分。


そろそろ寝よう。


そう思った、その時。


♪♪


スマホが震えた。


画面を見る。


【塩﨑太智】


思わず飛び起きた。


メッセージを開く。


【塩﨑太智】 「起きてる?」


たった4文字なのに心臓が跳ねる。


【あなた】 「起きてる。」


返信すると、すぐに既読がついた。


【塩﨑太智】 「よかった!」


【塩﨑太智】 「寝てるかと思った」


思わず小さく笑う。


【あなた】 「何か用?」


すると少し間が空いた。


そして届いたメッセージ。


【塩﨑太智】 「今日すごく楽しかった」


その1文に、呼吸が止まりそうになる。


【あなた】 「雨だったのに?」


なんとか返す。


【塩﨑太智】 「うん」


【塩﨑太智】 「さゆと帰れたし」


心臓がうるさい。


うるさすぎる。


画面を見るだけで顔が熱くなる。


【あなた】 「そう。」


短く返すことしかできない。


すると。


【塩﨑太智】 「ねぇ」


【塩﨑太智】 「俺たち前より仲良くなったよね?」


その言葉に胸がぎゅっとなる。


【あなた】 「たぶん。」


【塩﨑太智】 「たぶんじゃなくて絶対!」


【塩﨑太智】 「最初めっちゃ冷たかったもん」


【あなた】 「今も普通。」


【塩﨑太智】 「嘘だね」


【塩﨑太智】 「最近いっぱい笑ってくれる」


スマホを握る手に力が入る。


太智は気づいてない。


私が笑う理由。


あなたが好きだからなんて。


絶対知らない。


【あなた】 「ねむい。」


誤魔化すように送る。


【塩﨑太智】 「えー」


【塩﨑太智】 「じゃあ最後に1個だけ」


【あなた】 「何?」


数秒後。


届いたメッセージを見て、私は固まった。


【塩﨑太智】 「明日も一緒に帰ろ?」


胸が大きく高鳴る。


ただそれだけなのに。


嬉しくて仕方ない。


【あなた】 「気が向いたら。」


送信。


するとすぐに。


【塩﨑太智】 「それってOKって意味だよね?笑」


【あなた】 「違う。」


【塩﨑太智】 「絶対そうじゃん笑」


思わず吹き出す。


夜中なのに、1人で笑ってしまった。


【あなた】 「おやすみ。」


【塩﨑太智】 「おやすみ!」


【塩﨑太智】 「また明日ね」


画面が静かになる。


だけど胸は全然静かじゃなかった。


スマホを胸に抱きしめる。


今日一日を思い出す。


学校で話したこと。


相合傘。


そして今のメッセージ。


少し前まで、ただのクラスメイトだった。


なのに今は。


あなた 「……好きだな。」


誰にも聞こえないくらい小さな声。


初めて、自分の気持ちを言葉にした。


すると不思議と胸が暖かくなった。


まだ伝える勇気なんてない。


でも───


明日が楽しみだと思うくらいには、私はもう太智に夢中だった。


























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