💜side.
退職届を出してから後輩達に仕事の引き続きや
取り引き先へのご挨拶で毎日バタバタしていた。
それも今日でおしまい
ずいぶんお世話になったビルを出る
『はぁ…終わった、』
照が居なくなって2年
忘れる為に無我夢中で働いた
ふと思い出す照は俺の想像の中で
奥さんと幸せそうに笑っている
『おしまい、』
でも、この恋も気持ちも
このビルに置いて行くと決めた。
自動ドアが開くとひんやり冷たい風が体を包む
『さむ、』
それと同時に懐かしい匂いがして
匂いに釣られるように足を進めると
『…え、』
「お疲れ様」
懐かしい"タバコの匂い"と共に
大きな花束を持って微笑む照が居た
『どう、して…、』
照「何もかも捨てて帰って来ちゃった」
"はい"と渡された花束は
紫色に統一されていて
照「クロッカス」
『え?』
照「その花の名前」
クロッカス…
花言葉は……
【愛の後悔】
照「辰哉と別れてからの2年間、死ぬ気で働いて」
「俺の力だけで辰哉を守れる様になった」
「だからさ、辰哉…帰ろ?」
『うん』
フワッと繋がれた手をギュッと握り返すと
照は前を向き歩き始める
『俺の事守ってくれんの?』
なんて意地悪く言う俺に
照「守るよ。ずっと、」
そう言った照の耳は少し赤かった。
.
END











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!