とある音楽スタジオ、朝
とりあえずあとはビートも作ったし歌詞入れるだけか….
重い目を開けながら、俺の「人生」ともいえる大切なデータが入ったパソコンに向かう。
カタカタ….パチッ
録音開始。ここからは全神経を集中させる。
….なかなか良いのが取れたな。
たった今取れたラップを先ほど作ったビートに落とし込む。
この瞬間、全神経が疼くような気がする。こうやって新しい曲が出来ていくんだと思うとほんとに感慨深いものがある。
こうしてまたひとつ曲が完成していく。
ここで俺の自己紹介。
俺の名前はあなた。まだ高校生の18歳で、ラップをしてる
一応曲を出したらほとんどの音楽チャートは一位にできる。中学の時に出したひとつの曲が大ヒットして、今はこうやって学校に行きながら音楽活動をしている。
音楽を始めたきっかけは、ヒップホップが生まれたアメリカに住んでいたから。
元々友人がラップをやっていて、「真似してみたい」が理由で始めてみただけだったけど、こんなに伸びるとか自分で曲を作って出すなんてこともしないと思ってた。
まず自分がここまでラップできるとは思ってなかったから正直びっくりしてる。
もちろんこれからも続けていくつもりだし、いつかラップを教えられるような講座とか学校とかを作りたいななんて思ってる。
次の話へ……
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!