第12話

Happy Birthday 1
993
2021/01/17 14:12 更新
事の発端は些細な発言からだった

「そういえば私、ローの誕生日知らないんだけど…今更ローに聞くのもなぁ…誰か知ってる人いる?」

「船長の誕生日なら今日だぞ」

「へぇ…今日なんだ…きょう…えっ!?」

「だから…今日だって」

シャチに今日がローの誕生日だと聞かされ、愛する恋人の誕生日を知らなかった事よりも今日が誕生日だという事実を知ってあなたは慌てた

プレゼントを買うにもここは海の上…店なんてありゃしない

「しまった…こんな事なら付き合い始めた時にきちんと聞いておくんだった…」

あなたはなにか良い考えはないかとあちこち彷徨ってみるが、逆にペンギンに落ち着けと宥められてしまった

ローが喜びそうなプレゼントかぁ…

「何かいいプレゼントないかな…」

ポツリと呟いた言葉にベポが反応する

「あなたからのプレゼントならキャプテン何でも嬉しいんじゃないかな?」

「そうかなぁ…」

とりあえず、みんなを集めて今日の夜はローのバースデーパーティーを開く事にした

問題はプレゼント…
何かいい方法はないかと考えてはみたものの…なかなか良いアイディアが思い浮かばない

結局、これと言っていい考えも浮かばず無難にケーキを焼く事にしたあなた

キッチンの方も着々と飾り付けなどの準備が進んでいて、あなたも手伝いながらローのために甘さ控えめのケーキも焼いた

「あなた、キャプテンへのプレゼントは決まったの?」

そう尋ねてきたベポにあなたは「何も思い浮かばなくて…甘さ控えめのケーキを焼いただけ…」と言いションボリと項垂れる

ベポはそんなあなたを見て「キャプテンのバースデーパーティーをしようって言ったのもあなただし、そのうえケーキも焼いちゃうんだからキャプテン絶対喜ぶよ!!」と励ました

夜になりみんながキッチンへと集まりだすと、あなたはローを誘いに船長室を訪れた

「ローご飯だって、一緒に行こう」

ローはもうそんな時間かと呟き、読んでいた分厚い医学書を閉じて重い腰を上げた

あなたとローがキッチンに入ると、みんなが一斉に「キャプテン誕生日おめでとうございます!!」と声をあげる

ローは突然の出来事に驚き、戸惑いながら「今まで祝ってもらったことなんかねぇのに…気持ち悪ぃヤツラだ」と鼻で笑い席に着いた

宴が始まると、ローの周りにはクルー達が次々と酒を注ぎにやって来る

クルー達がローへ酒を注ぐと、隣にいるあなたにも自然と酒を注いでいくので、あなたもかなりの量を飲む事になってしまった

"このままのペースで飲み続けると確実に潰れる"と感じたあなたは、一旦酔いを醒ますために外に出た

夜風が顔を掠めて火照った身体には丁度いい

大きく深呼吸をして、肺一杯に冷たい空気を吸い込むと、酔いが醒めていく気がした

「はぁー…もっと早くに聞いておけばよかった…」

「何をだ?」

自分が呟いた独り言に返事が返ってきた事に驚き振り向くと、そこには先程までクルー達に囲まれていたローが立っていた

「ロー…」

「あまり身体を冷やすと風邪引くぞ」

そう言うと、ローは持ってきた上着をあなたに掛けた

「ありがとう…そう言えば、まだ言ってなかったね…ロー誕生日おめでとう」

「あぁ…」

ローは照れ臭そうに返事をすると欄干へと寄りかかった

「ローの誕生日が今日だって今朝知って…プレゼント何も準備してなくて…」

あなたは気まずさから俯く

「そんなのいらねぇよ…さっきの宴もあなたが俺の為に考えてくれたんだろ?じゃなきゃあいつらが誰かの誕生日を祝うなんて事はしねぇ…」

そう言うとローはあなたの頭を撫でた

「でも…せっかく付き合ってから初めてのローの誕生日なのに…何か形に残るものあげられないかな…って考えたんだけど…ケーキくらいしかできなかった」

ケーキは形はあるけど食べたらそれで終わり…
美味しいと食べてくれるのは嬉しいが、後に残らない
例えばネックレスをプレゼントして、それをローが身につけてくれれば…
ビアスをお揃いにして身に付けていられたら…
何時でもどんな時でもローの身近に自分がいるような気がして、それだけで幸せな気分になれるのに…

泣きたくなる気持ちを抑え、海を見つめるあなた

「形に残るもの…か…」

ローがポツリと呟き、少し考えてから口を開いた

「あなた、俺と結婚してくれ」

海を見つめていたあなたは、その言葉に驚きローの方を振り向いた

突然の事に言葉が出てこない…

「俺はお前が傍に居るだけで充分だ…これからも離すつもりはねぇ…どうしても形の残るものがプレゼントしたいと言うなら、俺にあなたの全てをくれ」

真っ直ぐ瞳を見つめられ紡がれた言葉に、あなたは力が抜けたようにその場へ座り込んだ

「…私でいいの?」

ポロポロと涙が頬を伝う

「お前じゃなきゃダメなんだ…ずっと傍にいてくれるか?」

ローはあなたと同じ目線にしゃがみ込み、そっと涙を拭った

「私もずっとローの傍にいたい…」





「ローの誕生日なのに…私がプレゼント貰っちゃったね」

嬉し涙で濡れた顔で笑いながらそう告げると

ローも微笑み「あなたという存在が現れた事が俺にとっては最高のプレゼントだ」と返してくれた

これからもずっと一緒にいようね…ロー大好き!!



HappyBirthday☆Law




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ローさんの誕生日にアップした夢です

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