
赤い
異常に赤かった。
まろの周りが、制服が。
息が浅い。
どうしよう。
どうしよう、時間がない。
耐えるように浅い呼吸で止血して呻いてるまろ。
その場に駆けつけた全員が絶句した。
焦りを押し殺すように、冷静なフリをしてまろの安否を確認する。
信じられないまろの弱々しい力に、初めて感じたのは
怖い、と言うことだった。
どうしよう。
みんな混乱してる。
俺が何とかしなきゃ。
どうしよう。
回復薬がない。
全部使ってもまろの命が危ないのは変わらない。
残ってる5口だけだと痛みの緩和と傷口の少しの手当てしか効果がない。
呼吸が、安定しない。
どうしよう。
どうしよう。
俺だ。俺のせいだ。
俺が配分をしくじった。
今考えればわかる。
ほとけっちと初兎ちゃんが勝手に行動したのは、
少しでも長く戦える俺らのことを守れるように、
無駄なケガさせないように
きっとそういう意図だ。
どうしよう。
どうしよう。
どうしようー。
タッタッタッタッ…
あいつ…やばいな…
俺が生きてる16年のうち、13年極めてきた氷の技を…一瞬で破った…?
おかしい。
おかしい、おかしい!
強度が弱かった訳やない。
普通の人間やったら、あの強度やと3時間は氷が溶けない。
…違う。
違う。
違う。
アイツは…バケモンや。
相手にしたら、いけへんもんやったんや。
そらそうや。
りうらのサイバンに俺らが来ない訳ないって思ったんやろ。
やからこんなバケモンを用意して、俺らの回復を妨げた。
少しは静かにできひんのかよこのバカ。
でもどうやって倒す?
この強さと肉体的な筋力、硬度からしてランクは
「III S」(スリーエス)
魔界で1番強い部類…
アニキでもレベルがSSなんや…
アニキと俺とないこでなんとか…いや、りうらもいないと倒せん…
つまりコイツは…
いやや。
そんなんいやや。
俺にできひんことなんてねえ。
俺が薙ぎ倒す。俺のスキルならいける。
もっと早く。
もっと強く。
………………………………………………………………
倒…した
けどダメや。
止血が間に合わん…
こんなにもボロボロになるもんなんか…?
結局薬局の薬を傷つけないように3階に降りてきて殺ったけど…
今から4階行くのは危ない…
あぁ…疲れた
疲れてしもた
こんなんで、
どうやってりうらを助けるん?
やから計画立てよう言ったんや。
違う。違うよないこ。
俺もや。
俺もちゃんとアイツらに説明しておけば良かった。
みんなパニくってるんよ。
失敗したのはないこのせいやない。
俺はいいから。
自分でできる。
俺には構わずに、大広間に行ってりうらを助けて…
アニキを呼ぶんや。
そしたら…
あかん。
ダメやほとけ。
そんなことしたらお前らが死ぬ。
俺がこれなんや。
3体もいるんや。
1人一匹担当しても、もう一体余るやろ
お願いや。
誰もしなんといてくれ。
俺は生きるから。俺が行くから。
薬はいらない。
お前らは、行くな。
ほとけ、初兎、ないこ。
行くなぁ…
みんなで生きて帰りたい
死にたくない
なんて、
死にかけの人間が言うことちゃうか…w
明日には生きてるのか分からない。
その状況が懐かしい。
僕の家系と、全く同じ。
ほら、すぐそこにいる。


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。