部屋のドアを開ける。新築の匂いが鼻をつく。
ーー4月、実家から遠い高校に通うことに決めた私は、一人暮らしをすることになり、このマンションに越してきた。
比較的新しいマンションで、駅からも近いので新生活には申し分ない物件だろう。
あれもこれもと詰め込んできた荷物のせいで体の節々が悲鳴をあげているのが分かる。
とりあえず、今日はゆっくり休もう。そう思って備え付けのソファに腰を下ろした。
母から持たされた菓子折りを手に部屋を出た。
インターホンを押すと実家とは違う音が鳴り響いて引っ越してきた実感が湧く。
押してからのしばらくの沈黙でここの住人の不在が分かった。
今の時間、学校や仕事なら帰ってきている時間だからいると思ったんだけどな、
まぁ明日また来よう。そう思いながら部屋に戻った。
新しい部屋はなかなか寝れない。居心地が悪いとか、そういう訳じゃないんだけど、慣れないのかな。目を瞑っていればそのうち寝れるだろうと思っていた深夜2時、隣の部屋のドアが開く音がした。
え、こんな遅くに?夜中だからか隣人が持っているであろう鍵のチャームの音がかすかに聞こえる。夜遊びとかする感じの人なのかな、どうしよう、なんて勝手な想像をしながらもう一度目を閉じた。
お隣さん、変な人じゃなきゃいいけど。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。