分かりやすく焦っているあなたちゃんをソファの端に追いやって、腰の辺りに跨るように乗る。
目の前にあるあなたちゃんの頬を撫でてみる。
へぇ、案外乗り気やん、笑
もうちょっと素直になればいいのに、あなたちゃん。
この顔、かわいい。
そう思ってあなたちゃんに顔を近づけてみる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
湊﨑さんの意地悪そうな笑顔がどんどん近づいてくる。
頭では避けなきゃ、と思うのにそれに反して私の体は動いてくれない。
たぶん、わたし、この状況が嫌じゃない。
逆にこんなことが起こるのを待っていたような気さえする。
お試し、だもんね、?
湊﨑さんが言った言葉を頭の中で復唱しながら、覚悟を決める。
言ってしまった。 もう、引き返せない。
そうして距離がほとんど無くなっていた私たちの顔は離れる。
緊迫した雰囲気から脱することができて、ふぅ、と落ち着いていると、
離れたと思った湊﨑さんの顔がまた急に近づいて、私たちの距離はゼロになる。
そう言って湊﨑さんは、私の口と首筋に唇を落とした。
そう言いながら湊﨑さんは私の首筋を撫でる。
その指先には、赤い印がひとつ。
そんなの、できる訳がない。
この人がこんなにドSだったなんて、今になって初めて知った。
急な距離の縮まり方に困惑してしまう。
年上の人を呼び捨てにするなんて、少し恥ずかしい。けど、これくらいなら私でもできる、、!
名前を口に出せてほっとしていたのに、さなは私に難易度の高い課題を出してくる。
さなはまた私に意地悪な笑みを向ける。
もう、言えばいいんでしょ、!
そうしてさなに優しく抱きしめられた。
予想もしていなかったこの展開に、正直頭がついていかない。
でも、もうさなにすべて任せてしまっても、いいかな。
さなの腕の中で、そう思った。
私たちの不思議な関係が、今夜、始まった。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!