電車の始発
時刻は約5:45
腕でカチ、カチと囁く時計
まだ暗い藍色の空
薄く聞こえる鼻唄
ガラガラの電車の片隅で
微かに黄色の髪を揺らし、目を瞑る
____そんな君に、恋をした。
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遅刻だ。
…それも入学初日に
トッ、トッ、トッ、と音を立てながら
買ったばかりのローファーを鳴らして
駅の階段を駆け上る
とはいっても
時刻はまだ5:40
当たり前だが到底遅刻の時間ではない
なんなら早すぎるくらいである
はぁ、と浅い呼吸を整えると同時に電車がやってくる
間も無く、3番線に電車が参ります
赤く点滅する表示
まだ淡い黒の宵闇に浮かぶ電車
最寄り駅から学校までの
たった二駅間の距離
ほぼ誰も居ない静かな始発に
スクールバックを膝に置き軽く目を瞑る
黄色の君が居た
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登場人物紹介
莉犬
私立すとぷり学園のピカピカの新一年生
最近ローファーとスクールバックを買ってもらったりした
生徒会長るぅとに憧れて学園に入学した
るぅとに会うために毎日早起きして始発に乗る
るぅと
私立すとぷり学園の三年生
生徒会の仕事や勉強を学校でしたいので始発で学校に来ている
実は始発はさすがに眠いと思っている
二年連続生徒会長という偉業(?)を成し遂げた
ころん
私立すとぷり学園の二年生
実は学園に憧れている人がいるらしい
生徒会の庶務
つまりは雑用
さとみ
私立すとぷり学園の三年生
生徒会の広報
なのにすぐ着崩す
授業サボるときはだいたい屋上にいる
ジェル
私立すとぷり学園の二年生
何故か関西から東京に引っ越して入学した
関西弁のおちゃらけ要員
生徒会で書記と会計を兼任している
ななもり
私立すとぷり学園の三年生
個性の強い生徒会メンバーをまとめる常識人
副生徒会長
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閲覧ありがとうございます
作者の飴です。
この物語はバッドエンド、黄赤、桃青要素がございます。
苦手な方はお引き返し下さい。
もし良ければ次話の閲覧、♡、☆、コメント、宜しくお願い致します。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!