その村は、呪われていた。
否、呪われてなどいなかったのかもしれない。
ただ、呪われている様に思われただけで。
その事を多くの村人が理解出来ずに、
呪われている。
そう思われるだけであった。
けれど、そのせいで僕が神様呼ばわりされるのはおかしいのではなかろうか?
僕は、この辺では珍しく...否、何処でも珍しいであろう白髪で生まれた。
いっそ気味が悪いと嫌悪される方がまだわかる。
だというのに、何故
「神様がこの地に祝福を贈って下さった」
だの
「神様が人間に生まれ変わってこの村に来た」
だの...
意味がわからない。
僕ではなくて仏様を祀ってくれよ。
僕には、なんの力もない。
神秘なんてもの、扱えない。
天気を変えることなんて、できやしない。
やめて、
やめて、
やめて。
そう思っても、
そう言っても、
返ってくるのは謝罪か感謝。
如何して?
如何して?
僕は、
僕も、
貴方たちと同じ、
人間なのに...
心の中から噴き出してくるのは、
ぐちゃぐちゃな気持ち。
「祀らないで」
「崇めないで」
「頭を下げないで」
「感謝しないで」
「謝らないで」
「ただでさえ少ない食料を与えないで」
「涙を流して懇願して来ないで」
「手を合わせないで」
「泣かないで」
「髪を櫛でとかないで」
「お世話しないで」
「娯楽を持って来ないで」
「綺麗な服を着せないで」
「貴重な下駄を履かせないで」
「高級な髪留めを贈らないで」
「清潔な布団で寝かさないで」
「家宝を差し出さないで」
「丁寧に対応しないで」
「優しくしないで」
「もう、やめて...」
そう思っても、言っても、無駄。
だって、祀られているから。
崇められているから。
言ってしまえば最後、
零した相手が処刑されてもおかしくはない。
だって僕は、“神様”だから。
「たすけて」とは、言えないよ
言っちゃいけない。
言ったら、
言ってしまったら、
僕は人間になってしまうから。
涙が出てきてしまうから。
溢れてしまうから。
心が壊れてしまいそうだから。
だけど、その日は、どうしても
我慢出来なかったんだ。
ねくすと→♡4













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。