キーンコーンカーンコーン───
7時間目が終わるチャイムが学校に響く。
やっと1日の授業が終わり、皆帰る準備、部活に行く準備をする。
ガラッ────
「週番の夏央はいるか〜?」
私も帰る準備をしようとした時、担任の先生が教室にやってきた。
「はい。」
私、早名夏央(はやななお)は今週週番なので先生の所へ行った。
「さっきの授業の最後に配ったプリント、全員分回収して放課後まで職員室の俺の所に持ってきてくれないか。」
「分かりました。放課後持っていきます。」
そういって自分の席に戻り、プリント全員分あるか確認をする。
「1枚足りない…。綾坂くんのだけ足りない…。」
それを考えると胸がドキッと鳴る。
なぜなら綾坂くんとは私の好きな人だからだ。
綾坂夏瑠(あやさかなる)くんは私と同じ高2で、同じクラスなのだ。
ミルクティー色のくせっ毛にぱっちり二重、綺麗な瞳に整った唇。
モデル並みのカッコ良さで彼を好きな人な女子は本当に沢山いる。
私もその中の一人だ。
綾坂くんは告白されたらOKして付き合い、1週間以内に別れてしまう。
そして別れてもすぐに告白され、また付き合い別れての繰り返しだ。
いわゆるタラシなのだ。
そんなタラシの綾坂くんに高1の夏から片思いしている。
私が廊下で歩いていると、あまりの暑さに熱中症で倒れ、誰かが私を保健室に運んでくれた。
そう、その運んでくれたのが綾坂くんなのだ。
運んできてくれたのは保健室の先生に聞いてわかった。
高1の時も同じクラスだったので、お礼を言おうと思っていたが、人見知りなのでなかなか声を掛けれず、綾坂くんを目で追っていると段々好きになっていったのだ。
それからというもの、喋ることはあってもすぐに会話が終わってしまい、なかなか話せない。
プリントを綾坂くんの所に回収に行く時に少し頑張って話してみようかな、なんて1人で考える。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!