第15話

Chapter.14
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2024/12/29 12:32 更新
アルフォート あなたの名前のカタカナ
ここはどこ…
目が覚めると知らない場所にいた。
気味が悪くなるほど真っ白で天井と思われるところに照明が一つ付けられているだけだった。
私はその空間に立っている。
アルフォート あなたの名前のカタカナ
なんなの、これ
私の周りには散らばった狂気の残骸があった。
散弾銃から排莢されたと思われる二発の空薬莢
撃たれた銃弾の跡
殺人犯たちの汚れた足跡
そのどれもがあの時の記憶と、あの場所と全く同じ位置にあった。
そして一際目立つ一枚のブルーシート
それをみた瞬間胸が苦しくて、心臓がいつもより何倍も早く動いて、肺にうまく空気を送れない。
けれど、そこをみにいかなければこの先へは進めないと思った。
意を決してブルーシートを捲ると、そこには一脚の椅子が置いてあった。
アルフォート あなたの名前のカタカナ
…… Parliamo lentamente
椅子の上には張り紙がしてあって、そう書いてあった。
恐る恐るその張り紙を手にし椅子に座ると目の前が真っ白な空間から一転、満開のひまわりが景色を埋め尽くした。
そしてその中に青空のようなワンピースと白い麦わら帽子をかぶっている人がいた。
何年も会いたかった…
アルフォート あなたの名前のカタカナ
ママ……!!
母親
大きくなったねー!あなたの名前のカタカナ!!
何年もずっと待っていた母親の姿がそこにあった。


アルフォート あなたの名前のカタカナ
ママ…!ママ…!
母親
うんうん…しんこきゅーね
泣いてはぁはぁと息苦しかったのを背中から伝わる心地よい温度で宥められている
アルフォート あなたの名前のカタカナ
会いたかった……
母親
うん私も。貴方にずっと会いたかった。
落ち着いてから少しずつポツポツと話し始める。
アルフォート あなたの名前のカタカナ
私ママがいなくなってからずっと謝りたいって…思ってて…
母親
どうして?
タイミングが見計られたように椅子が出現して、二人で座る。
アルフォート あなたの名前のカタカナ
わ、私がわがまま言ったから…。パパと一緒に早く帰っていればって…
アルフォート あなたの名前のカタカナ
そしたらもっと違う未来だったかもしれないかなって
母親
あなたの名前のカタカナ…
罪の告白のようなそれは今まで自分の体に重くのしかかってきたものだった。
母親
私が言ったこと、覚えてない?
何を言っているのかが理解できなかった。
母親
あの日私が、今日はお客さんが来るから電話するまで帰ってこないでねって
母親
そう言ったの覚えて、ない?
覚えていない。
いや、覚えていなかった。
そんな会話をパパとした覚えがあった。










「きょうだれがくるの?」

「うーん、俺にも教えてくれないんだよね」

「パパもしらないの?」

「そう、俺も知らない。取り敢えずママの言ったことは守ろう。じゃないとママが怒っちゃうからね」

「ママおこると怖いからまもる!」

「あなたの名前のカタカナはいい子だね」











母親
ごめんねあなたの名前のカタカナに嫌な思いさせちゃった。
アルフォート あなたの名前のカタカナ
な、なんで…
母親
私知ってたの。
どこか思い耽るように語った。
母親
あの日私たちが襲われること。
アルフォート あなたの名前のカタカナ
な、ならどうして…
母親
私が残ったのかって?
先を読まれたようにそう言われて口を閉じる。
母親
ごめんねあなたの名前のカタカナには秘密にしてることが多かったの。
そのときひらり、と一枚の紙が目の前に落ちてきた。
その紙を手に取ってじっくり読む。
アルフォート あなたの名前のカタカナ
ガン…?
母親
そ、私ガンだったの
落ちてきた紙には診断証明書と書かれ、ガンの明確な位置、薬の数とそれの効果。
そして、余命。
母親
もう延命処置は施し尽くされてて、最後ぐらいは家族と過ごそうと思って自宅療養してたの。
だからね、残ったの
母はそう言った。
まだ涙で前が見えずらいけれど、その時だけは母の顔がちゃんと見えた気がした。
母親
暗いなぁ〜w話変えよう?
そう笑った母のおかげで心が弾んだのはこれが初めてではないはずだ。
母親
あなたの名前のカタカナ!旦那さんいるんだよね!?
アルフォート あなたの名前のカタカナ
そうだよ
母親
どんな人!?
母親
パパは優しくて、あなたの名前のカタカナを預けられる人だって言っていたけれど私見たことないからさ〜!
母親
紹介してよ!
まるで子供のようにはしゃいで捲し立てる。
アルフォート あなたの名前のカタカナ
パパの言ったこととほとんど同じだよ。
頼れる人って感じかな
アルフォート あなたの名前のカタカナ
すごくねいい人なの、私には勿体無いぐらい。
アルフォート あなたの名前のカタカナ
この前なんてね、私が体調悪い時もご飯作ってくれたり、私が人質にされた時も助けてくれたりしたんだ。
私がそう言っている間母はずっと嬉しそうな顔をしていた。
母親
そっか、優しい人でよかった
そう言った母は少し驚いた顔をして私の後ろを見た。
母親
ふふっ、愛されてるんだね
アルフォート あなたの名前のカタカナ
?うん
その時は母は口パクで何かを話した。
母親
「            、               」
その視線の先は私ではなくて誰なんだろうと後ろを見ても誰もいない。
そして振り返った時、そこに母の姿はなかった。
アルフォート あなたの名前のカタカナ
ママ…?
周りを見回してもやっぱり姿は見えなくて目の前には一枚の紙が椅子に貼ってあった。
「またね」と
その紙に触れた瞬間目の前が見えなくなるほどの光に襲われた。










またね、あなたの名前のカタカナ!











最後に聞こえたのは母の元気な声だった。
















ちゅんちゅんと小鳥の囀りが聞こえて、自然に目を覚ます。
隣にウェスの姿はなかったけど体を起こして目に入ったのは家族の写真がはいった写真立て。
何気なくその写真立てを手に取って写真をとり出す。
そして写真を眺めて写真縦に戻そうとした時、やけに裏に貼り付ける板が分厚いことに気がついた。
観察して、引っ掛かりを触ると一つ裏が剥がれて手書きの文字が目に入った。
私の大好きなあなたの名前のカタカナ。
そう書かれていたのは母の字で。
寝起きでまた泣いてウェスが飛んできたのはまた、いつか。





































おわりだ!

長らく更新しておりませんでした!ごめんなさい!

みなさん!お正月ですよ!もうすぐ!

長いようで短かった一年がもう終盤です!イヤーハヤイ。

皆様良いお年を!

バイバーイ〜

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