翌日、少女はある場所に来ていた。
少女は楽しみで仕方がないのか、半ば走るように歩く。
此処に来たのは、数時間前に遡る_
それは、家族で朝食を摂っていたときの会話であった。
少女は目を丸めて、目の前の女性に聞き返した。
私に問い掛けた男性はシリル・マーカスの父親らしい。
昨日、私はこの父親が帰ってきたところを迎えようとして、階段から落ちたらしい。
我ながら間抜けで笑えてくるが、何故か身体が弱いらしくこういう事はよくある。
階段から落ちて寝込んだばっかなのに何してたんだ、私は。
少女はそう思いながらも朝ご飯を口に運ぶ。
男性は女性との会話を終わらせて、少女と後ろにいる使用人の方を向いてそう言った。
こうして、私は図書館に行くことになった。
少女は目をキラキラと輝かせて自分より遥かに高い本棚を見上げる。
使用人と手を繋いで、目当ての本がある方に進んでいく。
身体はシリル・マーカスのはずなのに、なんで固有魔法が違うんだろう...
それよりも存在操作魔法について知りたい...
...何かしらの情報が載っている本はないのかな
考え事をしていると、使用人から声を掛けられる。
目の前の本棚には分厚くて古そうな本がたくさん陳列していた。
少女は試しに一冊の本を取ってみた。
基礎魔法じゃないけど、悪くはないな...あらすじあらすじっと...
【メモリーズ】...変える記憶をより鮮明に想像すると成功率アップ...
【カラーズ】... 意外と簡単に扱えるが、雑に使うと大変なことになるので注意...
う〜ん、めぼしいのはないけど...なんか役に立ちそうだから借りておこうかな...
「面白い魔法集!上級編 著 アダム・ジョブズ」
少女は先程の本を抱えて、他になにかないかと周りを見渡す。
すると、ある一冊の本が目に留まった。
その本は、所々破けていたり文字が霞んでいたりしていた。
少女は何気なく本をめくり、唐突に神について書かれている出だしを見る。
次のページからは様々な神々についての目次が書かれていた。
あ、クロノスだ...確か、時間魔法のサモンズで出てくる時間の神様だったっけ?
この神話は兄弟姉妹の内での結婚が多いんだよね...。
でも、クロノスの親は母子結婚したって聞いたことあるな...。
えっと、父親がウラノスで母親が...?
母 大地の女神 ガイア 父 天空の神 ウラノス
なんか、懐かしいような、あったかい感じがするな...。
なんでだろう...?
疑問を心の内に閉まって、少女は本を閉じた。
__そして、小さく女性の笑い声が聞こえたのを、少女は気が付かなかった。
少女はそう言って、使用人と図書館を出た。
外に出ると、大きく風が吹いて少女の持った日傘が揺れた。
そこから見えた太陽は、いつもより眩しく感じた。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!