「むっ無理なものは無理なんです!」
と言って全速力で走って逃げた
私だって行けるならドラゴン退治して
人を救ってあげたいよ
でも怖いの!
これがドラゴンに攫われた人を
見捨てることになるのはわかってる
でも勇気が出ない
こんな自分が嫌い…
すると
「恋色ちゃん!!」
王子様が追いかけてきてくれた
「王子様、えっと…」
「ごめん!」
え?
なんで王子様が謝るの?
「恋色ちゃんの気持ちを考えずに
勝手に押しつけてごめん!」
違うの
そうじゃない
「そうじゃないんです」
「謝るのは私の方です
ごめんなさい」
「私はただ弱虫なだけです
人を救う、この国を救うというのが
私には重すぎて…」
「もし失敗したらどうしよう
もし途中で死んでしまったらどうしようって」
「そんなことばかり頭に浮かんで…」
「攫われた人の気持ちも考えずに
自分勝手なことをして本当にごめんなさい」
私はそう言った
私の素直な気持ちだった
もしかしたら怒るかもしれない
でもその時はその時だ
けど、王子様は怒らなかった
その代わりにフッと笑って
「恋色ちゃんら素直だね」
「僕も怖いよ
本当はドラゴン退治は乗り気じゃないんだ」
「でもみんなの期待に答えないとって思って
乗り気なふりをしているんだ」
「僕の方こそ弱虫だよ」
「みんなの前で『嫌だ』って言えないから」
と言った
そっか
王子様も同じ気持ちなんだ
私より王子様の方が
プレッシャーが大きいはずなのに…
私が弱気になってどうするんだ!!
だから
「ありがとうございます
王子様のおかげで気持ちが楽になりました」
「私、ドラゴン退治に行くことにします」
「王子様も一緒に頑張りましょう!」
と、とびっきりの笑顔で言った
すると王子様は目を見開き、
柔らかく笑った
「そうだね
頑張ろう」
「あとその"王子様"って言うのやめない?
"みこと"って呼んで欲しいな」
「それにタメ口で喋ってほしい」
なんと!
王子様から名前呼びを許されたのだ!!
少しは仲良くなれたってことでいいのかな?
「じゃ、じゃあみこと様?」
「様じゃなくていいよ」
「みこと君?」
「君もいらない
呼び捨てでいいよ」
「いや、それは無理です」
一国の王子様だ
流石にただの異世界人が
呼び捨てにするのはちょっと…
すると、王子様は
「じゃあ君付けでいいよ
これからよろしくね
後敬語は外してね」
と苦笑いして言った
「( ゚д゚)ハッ!うん!よろしくね!!」
こうして私と王子sヴヴン改めてみこと君は
一緒にドラゴン退治に行くことになった












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!