――江戸の街
あなたはいつものように巡回をしていた
そう思いながら歩いている
――その少し後ろ
物陰に隠れながら、山崎が尾行していた
そして――
振り返る
また、あの女の子たち
しかも今日も人数が多い
無言
あなたは黙って言い返さない
バンッ――
殴られる
それでも、あなたは立ったまま
クスクスと笑う声
女の子たちは満足したように去っていく
また一人になる
その瞬間――
振り向く
少しだけ考えて
一歩近づく
少し迷って
その瞬間
振り向く
そこにいたのは――沖田
そう言って、あなたの方へ歩いてくる
そして――
ガシッ
あなたの腕を掴む
何も言わず、そのまま引っ張る
少し涙目になる
でも沖田は止まらない
――路地裏
人のいない場所で、ようやく足を止める
沖田はあなたの腕を掴む力を少し緩める
そして――
低い声
言葉が出ない
沖田は顔を下げたまま
思わず叫ぶ
沈黙
逃げられない
そして――
ゆっくりと口を開く
沖田の拳が少し強く握られる
少し声が震える
沖田は何も言わない
顔を上げる
静かに言い切る
しばらくの沈黙
そして――
しゃがみ込む
顔を上げる
少しだけ優しい目
立ち上がる
少しだけ近づく
その瞬間
今まで溜めていたものが――
全部、溢れた
ポロポロと涙がこぼれる
沖田は少し驚いた顔をして、すぐに優しく笑う
そして――
ひょいっと
あなたを姫抱きする
あなたはそのまま、沖田の胸に顔を埋める
声を抑えながら、でも抑えきれずに泣く
まるで、小さな子供みたいに
沖田は何も言わず、ただ優しく支える
頭に手を置いて、軽く撫でる
その一言で――
さらに涙が溢れる
その日
あなたは初めて、誰かに全部を預けて泣いた
そして沖田は、そんな彼女を静かに受け止め続けた
新しい話を書きました!
ぜひ見てくださると嬉しいです😊












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!