第52話

頼っていい
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2026/05/10 01:17 更新
――江戸の街

あなたはいつものように巡回をしていた
あなた
……
あなた
(今日も……大丈夫)
そう思いながら歩いている

――その少し後ろ

物陰に隠れながら、山崎が尾行していた
山崎退
(バレてないよな……?)
山崎退
(てかなんで尾行なの……嫌な予感しかしないんだけど……)
そして――
女の子
ねぇ
あなた
……っ
振り返る

また、あの女の子たち

しかも今日も人数が多い
女の子
ほんと懲りないよねあんた
女の子
まだあの人と付き合ってるの?
あなた
……
無言
女の子
ほんとムカつく
女の子
なんであんたなのよ
あなた
……
あなたは黙って言い返さない
女の子
ほら
バンッ――
あなた
っ……!
殴られる

それでも、あなたは立ったまま
女の子
反撃もしないの?
女の子
ダッサ
クスクスと笑う声
山崎退
……っ
山崎退
(なんだよ……これ……!)
女の子たちは満足したように去っていく
あなた
……
また一人になる

その瞬間――
山崎退
あなたちゃん!!
あなた
……!
振り向く
あなた
山崎さん……?
山崎退
さっきの人達なに!?
山崎退
なんで殴られてたの!?
あなた
えっと……
少しだけ考えて
あなた
友達……ですよ
山崎退
なわけあるか!!
あなた
ほんとに大丈夫ですよ
山崎退
大丈夫なわけないでしょ!
一歩近づく
山崎退
ねぇ、教えて
山崎退
何があったの
あなた
……
少し迷って
あなた
なら……
あなた
沖田隊長には内緒にしてください……
その瞬間
沖田総悟
なにを内緒にするんでィ
あなた
っ……!?
振り向く

そこにいたのは――沖田
あなた
な、なんでここに……
沖田総悟
ザキ、ありがとな
山崎退
は、はい……!
沖田総悟
後は任せてくれ
そう言って、あなたの方へ歩いてくる

そして――

ガシッ

あなたの腕を掴む
あなた
ちょっ……沖田隊長!
沖田総悟
……
何も言わず、そのまま引っ張る
あなた
痛いです!離してください……!
少し涙目になる

でも沖田は止まらない













――路地裏

人のいない場所で、ようやく足を止める


沖田はあなたの腕を掴む力を少し緩める

そして――
沖田総悟
……なんで
低い声
沖田総悟
1人で巡回することを近藤さんに頼んだ
あなた
そ、それは……
言葉が出ない

沖田は顔を下げたまま
沖田総悟
そんなに俺が信用なんねぇか
あなた
っ……
沖田総悟
そんなに俺のこと嫌いか
あなた
違います!!
思わず叫ぶ
沖田総悟
じゃあ、なんでィ
あなた
……
沈黙

逃げられない

そして――
あなた
……言います
ゆっくりと口を開く
あなた
ここ最近……
あなた
女の子達に絡まれてて……
沖田総悟
……
あなた
最初は、ただの悪口だけだったんですけど
あなた
だんだん……手を出されるようになって……
沖田の拳が少し強く握られる
あなた
でも……
あなた
私が我慢すればいいだけだと思って……
沖田総悟
……
あなた
それに……
少し声が震える
あなた
あの人達……
あなた
沖田隊長のこと……悪く言ってて……
沖田総悟
……は?
あなた
それが……すごく嫌で……
あなた
だから……余計に……反撃できなくて……
沖田は何も言わない
あなた
私のことは……
あなた
いくら言われてもいいんです……
あなた
でも――
顔を上げる
あなた
沖田隊長のことを悪く言われるのは……
あなた
すごく嫌だったんです……
静かに言い切る
沖田総悟
……
しばらくの沈黙

そして――
沖田総悟
はぁ……
しゃがみ込む
あなた
ごめんなさい……
あなた
幻滅しましたよね……
沖田総悟
違う
あなた
……?
沖田総悟
逆でさァ……
顔を上げる

少しだけ優しい目
沖田総悟
あんたが可愛すぎて仕方ねぇ
あなた
え……?
沖田総悟
あなたがそんな風に思ってくれてるのは
沖田総悟
すげぇ嬉しい
沖田総悟
でもな
立ち上がる
沖田総悟
俺だって
沖田総悟
あんたが傷つけられんのは嫌でさァ
あなた
っ……
沖田総悟
だから
少しだけ近づく
沖田総悟
これからはちゃんと頼れ
沖田総悟
1人で抱え込むな
あなた
……っ
その瞬間

今まで溜めていたものが――

全部、溢れた
あなた
っ……
ポロポロと涙がこぼれる
あなた
ごめんなさい……
あなた
ごめんなさい……っ
沖田は少し驚いた顔をして、すぐに優しく笑う

そして――

ひょいっと

あなたを姫抱きする
あなた
え……?
沖田総悟
ほら
沖田総悟
もう我慢しなくていいでさァ
あなたはそのまま、沖田の胸に顔を埋める
あなた
っ……
声を抑えながら、でも抑えきれずに泣く

まるで、小さな子供みたいに

沖田は何も言わず、ただ優しく支える

頭に手を置いて、軽く撫でる
沖田総悟
よく頑張りやしたね
その一言で――
あなた
これ以上やめてくださいよ……!!
さらに涙が溢れる

その日

あなたは初めて、誰かに全部を預けて泣いた

そして沖田は、そんな彼女を静かに受け止め続けた
























新しい話を書きました!
ぜひ見てくださると嬉しいです😊

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