――真選組屯所・中庭
沖田は木陰に座りながらぼーっとしていた
そう思っていた時
あなたが歩いてくる
あなたは沖田の前に立つと――
しゃがみ込む
あなたは沖田の顔をじっと見つめる
距離が近い、近すぎる
じーっ
あなたはそのまま、指でそっと触れる
完全に固まる
心の中で叫ぶ
あなたは満足したのか、すっと離れる
全く分かっていない顔
――その様子を遠くから
近藤、土方、山崎の3人が見ていた
ニヤニヤ
口元が少し緩む
3人でこそこそ話す
――再び中庭
警戒気味
渋々、少し屈む
その瞬間
あなたが手を伸ばして――
沖田の頭に触れる
くすっと笑う
数秒フリーズ
顔がじわじわ赤くなる
本気で首をかしげる
頭を抱える
心配そうに顔を覗き込む
距離、また近い
思わず叫ぶ
少し慌てて下がる
でも――
その顔はどこか楽しそうだった
――遠く
3人は微笑ましく見ていた
そして
その日、真選組の中で一番振り回されていたのは――
間違いなく、沖田だった












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。