🧡side
ある日、大ちゃんと夜ご飯を食べ終え、僕がキッチンでデザートの飾り付けに奮闘していると、隣でずっと僕を見ていた大ちゃんが そんなことを聞いてきた。飾り付けをする手を止めず、僕は口を開く。
真面目な顔で大ちゃんは答えたから、僕はびっくりして口を少し開けたまま固まった。
付き合ってからの大ちゃんは今まで以上に甘々で、家にいるときは大抵僕にずーっと抱きついてる状態。可愛いとか好きとか隠すことなく全部伝えてくれるし、溺愛されてるなんて言葉じゃ足らないくらいの愛を感じている。
満足したのか、大ちゃんは僕の首元に顔を埋める。少しくすぐったいけど、大ちゃんがこんなに近くにいてくれるのは嬉しい。いつも僕は恥ずかしくて言えへんけど、今日はちゃんと伝えようと思った。
顔をあげた大ちゃんは、僕の顔を覗き込むようにして聞いてきた。
大ちゃんとのキスが大好きって言ってほしいんやろうな。僕からの言葉を欲しがる大ちゃんは可愛いけど、僕はそんなすぐにデレてあげないもん。
言って言わへんの押し問答を繰り返していると、ついに大ちゃんが拗ねてしまったみたいで、僕に抱きついたまま顔を僕の首元にうずめて、なにも答えてくれなくなった。
拗ねてるのに くっつきたいと思ってくれているのが可愛くて笑いそうやけど、今笑ったらもっと拗ねちゃうから我慢した。
僕がそう言うと、大ちゃんは黙ったまま ほんの少しだけ頷いた。
少しだけ抱きしめる力を強くした大ちゃんが甘い声で聞いてくる。この声のときはいつも以上に甘えたなときやってすぐ気付いて、僕は振り返った。
すぐにハッとした顔をする大ちゃんの唇にキスをすると大ちゃんの耳が真っ赤になった。
大ちゃんは耳が真っ赤のまま頷いた。僕は視線を戻してまたデザートの盛り付けに集中する。
何か言いたげに呟いた大ちゃんが僕の首元にキスをする。びっくりして肩がびくっと跳ねた。
大ちゃんはそう言って笑った。大ちゃんとおるとずっと照れてるのを見透かされた気分で、なんだか恥ずかしくなる。
キッチンでそんなイチャイチャしながらデザートの盛り付けを続けると、かなり時間がかかったけどなんとか完成した。
依然として僕に抱きついている大ちゃんを引きずるようにして僕はリビングに戻った。ふかふかのソファーに腰掛けると、流星はこっちって手を引かれ、大ちゃんの前に座らされる。
大ちゃんは興味津々に僕の顔を覗き込んで言った。僕は思わず動きが止まる。
実は今日は付き合って1ヶ月記念日。今更僕と大ちゃんの間に記念日を作るのは女々しい気がしてたから黙ってたけど、嘘をつくのも嫌やな…
というか、大ちゃんはやっぱり1ヶ月記念日とか覚えてないか…
そう言った大ちゃんは、恥ずかしそうに笑う。
僕の言葉に頷いた大ちゃんが、ポケットから何かを取り出す。キラキラ光る小さいそれを、僕の手を掴んだ大ちゃんが僕の指に嵌めた。
指に嵌められた指輪の真ん中には小さい赤色の宝石が輝いている。感動で言葉も出ない僕の頭を撫でながら、優しい声で大ちゃんは言った。
そう言って笑う大ちゃんが愛おしくて、僕は振り返って正面から抱きつく。大ちゃんの手が僕の頭を優しく抑えて、どちらからともなく甘いキスを交わした。
僕の言葉に大ちゃんは微笑んだ。
〜甘やかし上手な君とわがままな僕 おわり〜












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!