第23話

22.記念日
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2024/11/29 08:00 更新
🧡side
西畑大吾
キスは1日何回までしてええ?
ある日、大ちゃんと夜ご飯を食べ終え、僕がキッチンでデザートの飾り付けに奮闘していると、隣でずっと僕を見ていた大ちゃんが そんなことを聞いてきた。飾り付けをする手を止めず、僕は口を開く。
大西流星
何回したいん?
西畑大吾
最低100。
真面目な顔で大ちゃんは答えたから、僕はびっくりして口を少し開けたまま固まった。
西畑大吾
あ、その顔可愛ええな、キスしてええ?
大西流星
隙あらばすぐちゅーしようとしないの。
西畑大吾
怒ってるのも可愛い。ちゅーしてええ?
大西流星
今はあかんよ
西畑大吾
なんであかんの
大西流星
今は盛り付け中やから。大ちゃんと食べるやつやから可愛ええの作りたいの。
付き合ってからの大ちゃんは今まで以上に甘々で、家にいるときは大抵僕にずーっと抱きついてる状態。可愛いとか好きとか隠すことなく全部伝えてくれるし、溺愛されてるなんて言葉じゃ足らないくらいの愛を感じている。
西畑大吾
流星、ほんまに好き。あとでキスさせて。
大西流星
うん、後でな。
西畑大吾
可愛い、大好き。
大西流星
ありがとう。
西畑大吾
流星、可愛い。大好きやで。
大西流星
うん、分かってるよ
西畑大吾
愛してる。世界一好き。
満足したのか、大ちゃんは僕の首元に顔を埋める。少しくすぐったいけど、大ちゃんがこんなに近くにいてくれるのは嬉しい。いつも僕は恥ずかしくて言えへんけど、今日はちゃんと伝えようと思った。
大西流星
大ちゃん
西畑大吾
ん?
顔をあげた大ちゃんは、僕の顔を覗き込むようにして聞いてきた。
大西流星
僕も大好きやから、いっぱい ちゅーしてええよ。何回までとか、僕の許可とか、気にしないで。
西畑大吾
ありがとう。大好きなのはキス?それとも俺のこと?
大西流星
…どっちも。
西畑大吾
どっちもって?
大ちゃんとのキスが大好きって言ってほしいんやろうな。僕からの言葉を欲しがる大ちゃんは可愛いけど、僕はそんなすぐにデレてあげないもん。
大西流星
言わへん。
西畑大吾
言って。
大西流星
いやや。
西畑大吾
言って。
言って言わへんの押し問答を繰り返していると、ついに大ちゃんが拗ねてしまったみたいで、僕に抱きついたまま顔を僕の首元にうずめて、なにも答えてくれなくなった。
大西流星
…大ちゃん。
西畑大吾
……
拗ねてるのに くっつきたいと思ってくれているのが可愛くて笑いそうやけど、今笑ったらもっと拗ねちゃうから我慢した。
大西流星
なぁ大ちゃんごめんって。僕、そんなに甘々なこと恥ずかしくて言えへんの。
僕がそう言うと、大ちゃんは黙ったまま ほんの少しだけ頷いた。
西畑大吾
…大ちゃんのこと好き?
少しだけ抱きしめる力を強くした大ちゃんが甘い声で聞いてくる。この声のときはいつも以上に甘えたなときやってすぐ気付いて、僕は振り返った。
大西流星
大好きやよ、大ちゃんのことも大ちゃんとのキスも。
すぐにハッとした顔をする大ちゃんの唇にキスをすると大ちゃんの耳が真っ赤になった。
大西流星
大ちゃんの耳真っ赤や〜笑
可愛い〜!
西畑大吾
流星、あんまり自分から唇にキスしてくれへんのに…
大西流星
ずっとほっぺたやったもんね。
それで照れちゃったん?笑
西畑大吾
うん。
大ちゃんは耳が真っ赤のまま頷いた。僕は視線を戻してまたデザートの盛り付けに集中する。
西畑大吾
でもまぁ…
何か言いたげに呟いた大ちゃんが僕の首元にキスをする。びっくりして肩がびくっと跳ねた。
西畑大吾
流星はいつも耳真っ赤よな
大ちゃんはそう言って笑った。大ちゃんとおるとずっと照れてるのを見透かされた気分で、なんだか恥ずかしくなる。
大西流星
首にキスするのは禁止。
西畑大吾
なんで!流星の許可は気にせんでええって言ってたやん!
大西流星
それは口にキスする場合。
西畑大吾
さっきは そんなこと言ってへんかった。
大西流星
首だと思わんやん。
西畑大吾
じゃあもう1回だけしてみてええ?それで決めよや。
キッチンでそんなイチャイチャしながらデザートの盛り付けを続けると、かなり時間がかかったけどなんとか完成した。
大西流星
できた!見て大ちゃん、ちょっと高級デザートみたいやない?
西畑大吾
ほんまやね、流星 天才。
大西流星
一緒に向こうで食べよ。
依然として僕に抱きついている大ちゃんを引きずるようにして僕はリビングに戻った。ふかふかのソファーに腰掛けると、流星はこっちって手を引かれ、大ちゃんの前に座らされる。
大西流星
大ちゃん、後ろからぎゅーするの好きなの?
西畑大吾
前からも好きやし後ろからも好き。流星とだったら全部好き。
大西流星
甘々やなぁ…
西畑大吾
なぁ、流星どうして今日こんな豪華なデザート用意してくれたん?
大ちゃんは興味津々に僕の顔を覗き込んで言った。僕は思わず動きが止まる。

実は今日は付き合って1ヶ月記念日。今更僕と大ちゃんの間に記念日を作るのは女々しい気がしてたから黙ってたけど、嘘をつくのも嫌やな…

というか、大ちゃんはやっぱり1ヶ月記念日とか覚えてないか…
大西流星
あの、実は…
西畑大吾
もしかして1ヶ月記念日やから?
大西流星
え?
西畑大吾
あ、違った?
そう言った大ちゃんは、恥ずかしそうに笑う。
大西流星
ううん、記念日やからやで。大ちゃん、こういうの覚えてないかと思った…
西畑大吾
そう?俺、記念日はちゃんとお祝いしたいで?
大西流星
1年記念日はそうかもしれへんけど、1ヶ月は刻みすぎかなって思っててん。気づかれなくてもいいやって思ってたから、ちょっと小さめのデザート用意したの。
僕の言葉に頷いた大ちゃんが、ポケットから何かを取り出す。キラキラ光る小さいそれを、僕の手を掴んだ大ちゃんが僕の指に嵌めた。
西畑大吾
じゃあ…俺、めっちゃ はりきったプレゼントで恥ずかしいけど、これあげる。俺と付き合ってくれてありがとう。
大西流星
え…これ、指輪…?
指に嵌められた指輪の真ん中には小さい赤色の宝石が輝いている。感動で言葉も出ない僕の頭を撫でながら、優しい声で大ちゃんは言った。
西畑大吾
オレンジと赤色、どっちにするか迷ったんやけど流星には俺の色付けててほしいなって思って赤色にしたんよ
大西流星
1ヶ月記念日に浮かれてるの、僕だけやと思ったのに…
西畑大吾
残念、俺の方が流星の倍以上浮かれとった笑
そう言って笑う大ちゃんが愛おしくて、僕は振り返って正面から抱きつく。大ちゃんの手が僕の頭を優しく抑えて、どちらからともなく甘いキスを交わした。
大西流星
これからも、いっぱい甘やかされてあげる。
僕の言葉に大ちゃんは微笑んだ。





〜甘やかし上手な君とわがままな僕 おわり〜

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