あなたの下の名前side
あー…絶対怒られるやつだ…
ここ1週間ぐらい全然踊ってなかったから、思い通りに体が動かない。それでさっき休憩時間に抜け出たしたけど、お手洗いに行った途端に涙が出てきてしまった。
少し落ち着いてからお手洗いを出たらうぃじゅくんがいた。わざわざ私のことを心配して来てくれたみたい。…本当に好きだな…うぃじゅくんのこと。
その後の練習はなんとか振り付けもフォーメーションも上手くいった。だけど、表情管理だけが全然納得いかない。だから、みんなが帰ってる中、一人で残ることにした。
…そうか。
お父さんもお母さんも私のこういうところが嫌だったのかな。だから何でもできる妹のほうが愛されてたのかな。
…お父さんたちに認められたくて、今までやってきたけど、こんなんじゃあ認めてもらえるわけない…
…私、必要ないんじゃないかな
そう思うと、視界がだんだんぼやけてきて、息が苦しくなってきた。
その途端、練習室のドアが勢いよく開いた。
ゆまくんの名前を呼んだ瞬間、優しく、だけど強く抱きしめられた。
ゆまくんはいつも言ってほしいことを言ってくれる。ゆまくんのそういうところ、ほんとに好き。
うぃじゅくん…なんでそんな寂しそうな顔してるの、?
…なんでもないって顔じゃないよね…?言ってよ…
ゆまくんみたいに、大切だよ、って。私が一番愛されたいのはうぃじゅくんだよ…。
って、そんな少女漫画みたいな展開あるわけないか笑
明日の本番、頑張ろう。
▶▷▶第5話



















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!