そう言って車から降りると
そこは…
おんぼろ旅館だった。
そう言って3人と別れた。
たったったったっ
長い廊下にリズム良く響く足音。
なんでだろ…
3級呪霊どころか
ほとんど呪霊がいない
その瞬間、私は“はッ!!”として、走り出した。
1階西側。
誰もいない。
2階の東側も、、、西側も。
残るは、
屋上…か?
屋上には…
倒れた3人と
1体の呪霊がいた。
到底3級呪霊には見えない。
1級…
否、特級、か?
すかさず私も構えをとる。
先生は私のことを“特級相当の実力”って言っていたけど
別に“実践経験”があるわけではない。
なんでもそうだけど、やはりこういうのにも実践経験というのは必要だ。
実際にやってみないと分からないことが沢山ある。
実践経験がないと“いざ、戦闘!”となった時、緊張し過ぎてフリーズ、なんてことも。
私に関してはまだ中学生。
実践経験は極めて0に近い。
呪術師は命をかける仕事。
実践経験があるのとないのでは、“天と地”ほどの差がある、と言ってもいい。
経験の差は、簡単には埋まらない。
喋る…
やはり特級か!
弱くない!
だって
私は強いんだ!
そう喉まで出かけた言葉が、そこで詰まった。
「あんたは強いのよ!」
『えへへッ』
「ちゃんと特級術師になれよ。」
『うん!』
「お前もう術式使えるのか!」
『凄いでしょ?だってあなたの下の名前強いもん!』
私は、中学生だけど強いって思って呪術高専に来て
五条先生もそう言って…
そう。私は強い。
大丈夫、大丈夫 大丈夫、大丈夫…
強い、強い、強い…
強いよね…
強い、よね…
あれ?
もしかして私って弱い、?












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!