第30話

29話
1,235
2025/03/26 04:21 更新
おんりー
おんりー
(ドズルさん?)
お客さんの対応をしながらドズルさんを見る。
家からそう遠くはない。前もたまに来ていたところだったから。
ただ、ドズルさんがひとりで外出しているのが不思議だった。今までもご飯は任せていたけど、買い物は俺がしていた。
在庫もしっかり確認していたはずだが、
おんりー
おんりー
(どうしたんだろ……?)
ドズルさんはいつも目的を持って行動する。俺にはドズルさんの意思が、今も、今までも分からなかった。
3年間、傍で見てきた筈なのに……。
因みにぼんさんは分かりやすい。メンもまぁまぁ……。
おんりー
おんりー
………!
ドズルさんと目が合ったのに瞬間的に逸らしてしまった。しかも途端微笑むから罪悪感が押し寄せてくる。
会えて嬉しい、それが頑張れる理由でもあったから。
でも、正直恥ずかしい。何も恥ずべきことでは無いのは分かってる。誇れる事だって、きっとドズルさんもそう言ってくれる。
話したい気持ちがある反面、そのまま1人のカスタマーとして買い物をして欲しいと願っている。矛盾、正にそれだ。
期待に応えてくれたのか、応えてないのかニカッと笑って歩いていく。
おんりー
おんりー
ホッ……



モブ
……あ、あの、?
おんりー
おんりー
ハッ…! すみません!
モブ
い、いえ……全然、、
ドズルさんに集中しすぎて仕事を疎かにしてしまった。
それから10分。ドズルさんが自分のレジに並んだ。
おんりー
おんりー
(んんー....)

ドズルさんがニコニコで商品を差し出す。
おんりー
おんりー
(ケーブル....だけ?)
それならコンビニで買えるだろと思ったが、俺に会いに来るためでもあったのだろうな。
おんりー
おんりー
390円です。
おんりー
おんりー
ありがとうございました。
ドズル
ドズル
ありがとう。
そう、思ったけどそのまま買い物をして去っていく。
店内にお客さんはほんの少し、1人のレジで足りるんだろうけど。
おんりー
おんりー
(………話せると思ったんだけどな、)
五十嵐
あれ友達かなんか?
おんりー
おんりー
うわっ
レジ対応を終えた五十嵐さんが急にはなしかけてくる。
おんりー
おんりー
い、いえ、家族です。
五十嵐
…そっか、話してきなよ。
おんりー
おんりー
良いんですか?
五十嵐
笑っ うん。
おんりー
おんりー
ありあとうございますっ
なんで笑っているのか分からないけど感謝だ。


おんりー
おんりー
(まだ、居るかな。)








おんりー
おんりー
あ、ドズルさん!
ドズル
ドズル
え、おんりー!
辺りはまだ明るくて、ドズルさんの嬉しそうな顔が良く見えた。
ドズル
ドズル
あ、でもいいの?あの茶髪の子に任せてきちゃって、
良く見てるんだな。
おんりー
おんりー
あの人に施されて来たんです。
ドズル
ドズル
優しい人なんだね、良かった。



おんりー
おんりー
……はい。
おんりー
おんりー
何でわざわざここまで?
ドズル
ドズル
いや〜、ケーブルなんてコンビニでも買えるんだけどね。
ドズル
ドズル
今日は少し嬉しいことが沢山あってね、おんりーと話せたらもっといい日になると思って。
お客さんと店員の関係でも?と思ったけど、ドズルさんのことだ。きっと答えはYesだ。
それよりも、気になる事、分からないことがある。
おんりー
おんりー
嬉しいこと?


ドズル
ドズル
今日、おらふくんとメンが学校に行ったんだ。
おんりー
おんりー
え、本当に?
そんな........無理なんてしなくていいのに。 
俺はただ皆でご飯を食べたいだけなんだから。
自分がしたいようにして欲しい。大好きなこの人たちだけは。
おんりー
おんりー
む、無理はっして、なかったですか?
ドズル
ドズル
僕は大丈夫だったと思う。
ドズル
ドズル
2人とも、しっかり自己管理が出来る子だから。行く時は不安そうだっけど、
ドズル
ドズル
帰ってきた時はすごく可愛い笑顔だった。
おんりー
おんりー
そうですか、笑
心配しすぎたかも。
ドズルさんがこう言っているんだ。この人を、皆を信用しよう。
ドズル
ドズル
皆のことは僕に任せて。僕だって頑張りたいから。
おんりー
おんりー
そうします。3人のこと、お願いしときます。
ドズル
ドズル
……おんりーのことだってちゃんと見てるよ。
おんりー
おんりー
んはっwあざざます!
ドズルさんにそう言って貰えるだけで本当に嬉しい。
俺の事も、言葉の一つ一つもしっかり聞いていてくれる。
ドズル
ドズル
それじゃ、僕はここでおいとまするね。
ドズル
ドズル
もう一人の子にも申し訳ないからね。
もう、終わりか....。もう少し話しててちゃ、ダメかな。話せただけでも嬉しいのにこんな事を思うなんて欲張りすぎるかな。
おんりー
おんりー
……ドズルさんは今日何してたんですか?
ドズル
ドズル
え?ん〜、秘密!
秘密....?
咄嗟に口走ってしまっただけの質問だったけど、予想外の返答で少し驚いた。
ドズル
ドズル
ほら、行きな。ずっと応援してるから。
おんりー
おんりー
はぁい!
手を振りながら店内へ向かう。
やっぱり、夏はいいな。
もう遅い時間なのにドズルさんの表情が良く見えるや。
夏の太陽みたいに輝いて微笑むドズルさんの表情が。
主
☆100突破有難うございます!
主
これからも頑張ります!

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