第8話

な な
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2024/09/16 15:14 更新

新しい家族ができたからって、



幸せになれるとは限らない



私には血のつながってない弟がいる



施設から引き取られて、数年は楽しかった



新しい両親は子供がいなかったから、



私をとても愛してくれた



でも、ある日子供ができた



お腹を痛めて産んだ子だもんね



弟が生まれてから両親は私には見向きもしなくなった



そこから私を愛してくれたのは、



輪花だった



遊ぼうと言ったら遊んでくれ、



話そうと言ったら話してくれる



ほんと神だよね



弟は変な絡み方してくるし、



私のこと好きなのか嫌いなのかわっかんない



だから、その時の私の光は輪花だった



輪花がいるから離れた兄の元へ戻らなかったし、



最悪な家庭の中でも耐えてきたんだ
宇 季 衣 吐 愛
はっ
宇 季 衣 吐 愛
さいあく…

久々に見た夢があの家族との夢…



今日はいい事は起きなさそう



カーテンを開けて窓から輪花の家を見る



私は輪花の家の前に住んでいる



あの家族が嫌で、でも輪花とは離れたくなくて



たまたま前の家が売家になったから、



ここに住むことを決めた



ここの悪いところといえば、



あの家族と縁を切れないというところだけ



家が近いからタイミングが合えば会えてしまう
宇 季 衣 吐 愛
(弟は何考えてんのか、勝手に家くるし…)

そんな事を考えながら宇季衣家をチラ見し、



すぐに視線を輪花の家に戻す



すると目に飛び込んできたのは、



後退りする輪花と輪花と距離を詰めようとする吐夢



なにやら少し揉めているようだ
宇 季 衣 吐 愛
えぇぇぇ…朝っぱらから何してるの…

少し様子を見ていると、



輪花が家に入り、吐夢がお巡りさんに声をかけ



お巡りさんが輪花の家に声をかけているすきに、



吐夢が私の家に向かって歩きだしてきた
宇 季 衣 吐 愛
はぁ?!

焦って一階に降り、ドアを開ける



そこには焦る様子もない吐夢が立っていた
永 山 吐 夢
おはようございます
すみません、朝早くから来てしまって
宇 季 衣 吐 愛
いや、いーけど…
取り敢えず早く入って!

お巡りさんに声をかけていたのを思い出し、



すぐさま家に吐夢を入れた



私達2人だけになったので、何をしてたのか尋ねる
宇 季 衣 吐 愛
輪花の家で何してたのさ…
永 山 吐 夢
輪花さんに…忠告を

どうやら輪花は影山というプログラマーと



会う約束をしているらしい
永 山 吐 夢
…まぁ、
相手にしてもらえなかったのですが
宇 季 衣 吐 愛
あの影山って男…あれだよね?
永 山 吐 夢
はい
宇 季 衣 吐 愛
いつもすれ違うたびに
嫌な予感してたんだよね…
宇 季 衣 吐 愛
野生の勘だけど…私あいつ嫌い
永 山 吐 夢
僕もです

同意を得たところで



時計を見て針が10時を指すことを確認する
宇 季 衣 吐 愛
…ところで吐夢
これからの予定は?
永 山 吐 夢
実は、仕事が一件あります
宇 季 衣 吐 愛
よし、そろそろ帰りな
また会お
永 山 吐 夢
…そうですね

フッ、と微笑んでくれたのを見て、



私も微笑み返す



吐夢を近くまで送り届けた後、人とぶつかった
宇 季 衣 吐 愛
す、すみませ…!

顔を上げて謝ると、そこには私の好きな人



ラウールさんがいた
ラ ウ ー ル
え、吐愛さん…っ?!
宇 季 衣 吐 愛
ラウールさん…!
宇 季 衣 吐 愛
えっと…家、この辺なんですか?
ラ ウ ー ル
実はそうで…

えへへ、と笑いながら答えてくれる



まぶしい………!
宇 季 衣 吐 愛
じゃあご近所さんですね!
宇 季 衣 吐 愛
あ、えっとお仕事ですか?
ラ ウ ー ル
あ、そうなんです!
宇 季 衣 吐 愛
そうですか、
ではまた機会があればお会いしませんか?
ラ ウ ー ル
!勿論です!

ぱぁと言う効果音が付きそうなくらい笑ったあと、



手を振りながら歩いていった



そっか、家近いんだと思いながら家に帰る



私にもラウールさんにも、色々ありすぎて



住所を調べるのを忘れていた
宇 季 衣 吐 愛
(本人から教えてもらえるなんて…!)

朝から吐夢に会えて、



ラウールさんに会えて、



ラウールさん本人から住んでいる場所を聞けて
宇 季 衣 吐 愛
なぁんだ
宇 季 衣 吐 愛
あの家夢を見たからって
最悪な日になるとは限らないんだ…

少し嬉しくなり、



るんるんで家に帰った
???
………
???
なんなんだ、あの男たち…

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