『　ジャミル先輩！今日はよろしく...ってあれ？　』
　ジャ「　...あなた、　」


　　　長く艶やかな黒髪を特徴的に結っている
　　　先輩の後ろ姿を見つけて声をかける。

　　　振り向いた先輩は心底面倒くさそうな顔をしていた。
　　　不思議に思ったが先輩の隣に立つ人物を見て
　　　なんとなく理由を察してしまった。


　アズ「　あなたさん！よければ僕もご一緒させて
　　　　　いただけませんかね？　」
　　　『　アズール先輩...！も、勿論です！是非！　』


　　　ジャミル先輩はアズール先輩のことを
　　　あまり好んではいないみたいだ。
　　　まあアズール先輩はジャミル先輩に
　　　興味があるみたいだけど...笑


　アズ「　今日の実験は元々3人で行うものでしたし
　　　　　ちょうどいいでしょう？　」
　ジャ「　......はあ。...あなたに変なことするなよ　」
　アズ「　ジャミルさんは僕のことをなんだとお思いで？　」
　ジャ「　私欲の塊　」
　アズ「　強（あなが）ち間違ってないですね　」
　　　『　否定はしないんだ...　』


　　　そんなこんなで異色の二人と共に実験が始まった。
　　　

　　　今回の課題は金とダイヤを生成するというものだ。

　　　そもそも錬金術の始まりは、
　　　お金儲けのために王様が部下に金をつくることを
　　　命じたことがキッカケだ。

　　　金の生成は分かりやすく単純で
　　　ビギナーでも成功率が高い。
　　　だがダイヤモンドは生成することは容易くなく、
　　　錬金術関係を職にしている者でも
　　　成功と失敗の確率は五分五分といったところらしい。

　　　NRCでは三年のときに特別授業、お試しとして
　　　行うらしいのだがこのメンバーに三年生はいない。

　　　錬金術が得意と唄っているアズール先輩も
　　　少しだけ考え込んでいた。



　アズ「　とりあえず最初は説明書通りにやってみましょう
　　　　　ジャミルさんアゲハ蝶の鱗粉を取ってください　
　　　　　あなたさんは樹木の秘蜜をください
　　　　　このままリドルさんには負けていられません！
　　　　　僕らの班が出来も速さも一番になるように
　　　　　お二人とも頑張りましょう！！　」

　　　『　おー！...とりあえず合わせとこう　』
ジャミ「　はあ...ひとまずこいつの言う通りにしておくか　」