第320話

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2023/11/26 03:53





























昼夜逆転の生活にも慣れてきてしまったこの頃


























彼の目撃談がちらほら上がるようになった



























でも、逃げ足が速く捕まえられないらしい


























早く捕まればいつもの生活に戻れる

























こうしてグクにも、二人にも迷惑をかけることはない

























彼から与えられた恐怖はいつになっても薄れない


























ずっとこうだからと病院に行ったりもした

























でも、結果は治るのを待つしかないと言われた






























きっと彼が捕まれば徐々に消えていくと思う
























昔からトラウマに陥りやすい性格だった
























それがこんな裏目に出るとは思わなかった






















(なまえ)
あなた
昼夜逆転生活してるけど体調不良とかない?
グク
グク
全然?
(なまえ)
あなた
本当に?
グク
グク
何で嘘言う必要あるんだよㅎ
(なまえ)
あなた
私に心配かけない為、とか?
グク
グク
まぁ、それはあるけど…
でも本当にどこも悪くない
(なまえ)
あなた
なら、いいけど…
グク
グク
あるのはそっちなんじゃないの?
(なまえ)
あなた
え、?


















グクはそう言ってそっと私の額に触れた


























温かな手が冷めきった心を温めてくれるようだった



























グク
グク
ほら、熱っぽいじゃん
(なまえ)
あなた
気のせいだよ
グク
グク
じゃあ、その青い顔は何?
(なまえ)
あなた
っ、!
グク
グク
寝てな
(なまえ)
あなた
でも…
グク
グク
俺が側にいてやるから
(なまえ)
あなた
っ………





















いくら昼夜逆転生活に慣れたとは思っても
























やはり、身体には相当負担をかけていたみたいだ
























グクだけ起きさせるなんて申し訳ないのに


























私の頭を撫でる手は私を寝かしつける為の手だった
























優しくて温かな安心する手


























いつもそれにすぐに微睡んでしまうからには

























案の定すぐ夢の世界へ行ってしまい……
























グク
グク
おやすみ


























その後辺りには軽いリップ音が響いた

























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