『..!そうか。少し噂を聞いてな。防衛隊の中でも昔、噂になっていたんだ。』
「そうなんですか..笑 怪獣なんかが子育て出来る訳ないと思います!なんちゃって笑」
噂、か。あまりそういう話は好まない。
まあ事実だし。正直言って仕方ないが。
それにしても息をするように嘘をつくのも今では得意になった。
私がまだ小さい頃は、嘘をついてもすぐあの怪獣 に見透かされてたなあ。
今ならあのヒトにだって見抜けないようなポーカーフェイス
だって学んだ。
あのヒトが、あの怪獣が。あのお母さんが。
私に生きる為の全てを教えてくれたから。
あんな優しい怪獣を討伐しようなんて考えてる防衛隊は
怪獣なんかより余っ程の " _化け物_ " だ。
あのヒトと過ごした日々が全て
無かったことになったって私は構わない。私は、私だけが、あのヒトの
全てを知っているだけでいいのだから。
私の記憶の中だけで、あのヒトは生きてる。
とか言っても、
きっとあのヒトの事だから私のことを置いていった後も、今もどこかで生きているのだろう。
「噂なんて当てにならないですよ笑 怪獣なんかに育てられてたら
今頃私、ミンチにされて怪獣の腹の中でしょうし。」
『...確かにそうだな。今まで怪獣に育てられたなんて事例はない。
時間をとってすまなかったな。この後の入隊式に間に合うようにもう出ていっても構わない。』
「いえいえ!失礼しました。」
ねえ、怪獣さん。私、ちゃんと人間らしく
生きれてるかなあ?












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。