何処にでもある様で、此処にしかない夜。
呆然と月を眺める影に、迫る人物がいた。
月を眺めていた人物は『 紅星 キラ 』、
キラに毛布をかけた人物は『 翡翠川 咲 』。
二人は幼馴染であり、親友であり、戦友でもあり、相棒でもあり。
恋人でもある、不思議な関係だった。
咲の言葉に、軽く言葉を返すキラ。
咲は自然な動作でキラの横に座り、しれっと自分にも毛布をかけた。
キラはそんな咲の行動を特に気にする事無く、再び視線を上に上げる。
咲の問い掛けに可愛らしい理由を返すが、
それが本当かどうかは分からない。
キラは別にツンデレとか言う部類の訳でも無いし、
ツンデレはどちらかというと咲の方である。
ならあの言葉は何なのかと言うと、キラの精神の方に問題がある。
というのも、キラは幼少期、父親からの虐待を受けていた。
暴言や暴力から身を守る為に、感情や意思、感覚を全て捨て去ってしまったのだ。
今となっては昔の話だが、環境が変わったからと言って
それじゃあ普通らしく、とはならないだろう。
まぁ、咲含む仲間達のお陰もあり、
少しずつ感情や意思を取り戻してきているらしいが。
キラがコテンと首を傾げれば、咲は少し微笑んで言う。
背景が満天の星空な事もあり、
とても神秘的かつ幻想的な画に見えるだろう。
其処にキラと咲の顔面偏差値バリ高い顔があるんだから猶更だ。
咲がふと、星空の中から見慣れた星座を見つけ出した。
キラに教えてみるも、やはり白鳥には見えない様だ。
咲もこれどう見たら白鳥になるんだろうなと首を傾げる。
キラもさぁ、と言ったご様子。
矢張り星座なんてそんなものだ。
昔の人は本当によく分からない。
二人で白鳥座を結んでは何処が白鳥なんだと議論する。
真顔で困惑するキラに、
少し笑いながらも同じく困惑する咲。
咲だけが楽しそうな様で、キラもきっと楽しんでいる。
何故なら普段はもっと口数少ないから。
二人仲良く首を傾げたり、視線を変えたり、
身体ごと斜めを向いたりしながら星座で遊んでいる。
内容はなんとも昭和というか昔と言うか、
現代文明の発展している今では中々見られないような楽しみ方だが、
二人の中で楽しいならそれでいいのかもしれない。
咲は気付いた、キラの口角が少し、ほんの少しだけ上がっている事に。
それが嬉しかったのか、面白いとはまた別の、安心しきった笑顔が漏れる。
なんだか小学生男子のやってそうな会話だが、
意外と二人の精神年齢的には合ってるのかもしれない。
キラと咲は結局、夜が明けるまで楽しく雑談していた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「 あーあ―二人とも安心しきった顔で寝ちゃって…… 」
日が昇ると同時に起きて来たその少女は、
呆れた様に二人を見下ろした。
「 小学生だもんな、徹夜したくなるよなぁ…… 」
はしゃぎまくっていたせいか、
咲が持って来ていた毛布は別の場所へ蹴とばされている。
それに気付いた少女は、そっと二人にかけてあげた。
そしてついでにと言わんばかりに、
自分の部屋からもまた毛布を持ってくる。
二人の首元にかかったネックレスが、二人の首を絞めない様に少しだけ動かしたり、
毛布を掛けたりと、まるで母親の様な言動だ。
それらを終わらせると、少女はヨシッ、と小さくも確かに声をあげた。
少女の名前は『 柊 柚莉愛 』。
数少ない、キラと咲の幼馴染であり。
数少ない、二人の理解者でもあった。
輝きだした太陽は、縁側に眠る子供二人を。
優しくも暖かく、照らしていた___。
と言う訳で単発集を此方に移しました!!!
ネタ供養部屋なので普通の単発集だけじゃ無くてパロディとかもやっていきます。
Rネタもあるので気を付けてね☆
取り敢えず今は鬼滅パロ書きたい。
やるかどうかは分からないけどリクも一応聞いておきます(
ついでに使っていい人も教えてもらおうかな(
設定部屋視てたらこの子にこう言う事言わせたいなぁとか出てきたりするから。
まぁ確定で出る訳じゃないです()
ネタに合う子が居れば出すぐらいなんであんまり期待しない様に!!!!!
あ、くれる時グロテスク無理なら出すなって言っといて、書かれて無かったら出すかも(
Rに使ってもいいよ!って人はいいよ!!!って言ってくれると(((
この場合書かれて無かったら出しません()
アッでも夜弥晴とかは書く気がするから苔に先に謝罪しておきます(
あ、でも感想いっぱいくれる人はなるべく出したいと思う(((
ではではグッバイ!!!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!