ポトンッ
待って待って待ってやばいって
これはやばすきる
私の人生ここで終わりなの……?
その場に居合わせた全員が
時が止まってしまったかのように目の前のキングをじ…っと見つめている。
私はただただ ”やってしまった” という焦りと緊張で尋常じゃない冷や汗をかいている。
自分以外に見られてしまった今、もうどうすることもできない
完全に思考が停止している。
周囲の状況なんて確認する暇は無い
ゼラやジャイボがこちらを見ているかも分からない
”どうしよう見られた”
それだけが脳内を埋め尽くしている。
本当に焦った時って何にも考えられないんだな…
自分の脳みその小ささを身に染みて感じる
なんとなく分かるのは、私以外の他三人は酷く驚いた表情をしているということ。
そしてこの場の全員が ”何とかしないと” という思いに狩られている。
次の数秒の瞬間に確認出来たのは
ニコが鬼の形相でゼラの元へ行こうとしていること
そして、まずいと思ったのか雷ちゃんはそれを止めようとニコを追いかけ
ダフは咄嗟にキングの駒を拾って自身のポケットに入れた。
ドッ
ドッ
ドッ
心臓の音がうるさい
雷ちゃんは必死にニコの動きを止めようとしている。
叫ばすまいと口も塞いでいる。
ニコはまだゼラとジャイボの様子を見ていない様子
全てがスローに見える世界
不思議な空間の中で私は何も出来ない。
ただただ硬直して、
微かに景色が動いていくのを感じているだけ。
そしてまた次の瞬間には、少年の強い意思を感じた。
ダフはそっと震える手をこちらに差し出してきた。
互いにキングの上部と下部を持っている私とダフ
ダフも酷く焦り怖がっている様子だったが
身を徹してまで私をどうにかしようとしてくれている。
そんなダフに、私は心を動かされたのだ。
私が本当にやるべきことを、思い出させてくれた。
ダフは頑なにキングを渡そうとしないので強引に奪う。
雷ちゃんが食い止めてくれているけど時間が無い。
二人がキスしている所も、ニコに見てほしくないし
誰にも危険な目には合ってほしくない。
悲しい思いもさせたくない。
どうにか、光クラブの全員を幸せに…
そして、救いたい。
キングの上部と下部が、私のポケットに揃った。
取っ組み合っているニコと雷ちゃんを横目に
全ての視線を集める勢いの大声でゼラを呼ぶ。
ゼラとジャイボを離さなければと考えた私は
一旦ゼラを外へ出そうと誘ってみる。
ジャイボが気付く前に、早く
ゼラはジャイボの元を離れこちらに歩いてくる。
ジャイボは不思議そうにゼラを目で追いかけ、
ニコは顔を強く顰めながらも何故か何も言わずにいる。
そして、背後に居るタミヤ達もまた
不思議そうにこちらを見つめ、心配しているようだった
お願いだから何も言わないで
これは…恐らく気付かれてしまったのだろう
ここで逃げてしまったら完全に怪しまれるし、
私が逃げた後の光クラブが危なくなる。
私が、なんとかしないと、
逃げることはできない
緊張が走る
今は、言うことを聞くしかないか……
ジャイボは私の心を見透かすようにニヤリと笑った。
恐怖すぎて心の中で ”怖すぎッ!!” って叫んじゃったよ
ドッキドキで心臓の音がうるさすぎてる
どうしようでしかない、
怖いし
だけど私は…
私が……やらなくちゃ
そう分かっていても、
この後私がポケットの中身を見せてどうなるのか
想像するとまた更に動けなくなる
もう…
もうどうとでもなればいいッ…!!
所詮、私は別次元から来た身…!
一か八かだッ…!!!!
勢いよくポケットに手を突っ込む
息を飲んで、覚悟を決める
ポケットの底を漁る指の先にはキングの駒が…
無い
キングの駒が無い…!!
そう、
ポケットの底をひっくり返して見せても
私の手からキングの駒が出てくることはなかった
ゼラとジャイボ以外の全員が一斉に胸を撫で下ろした
ジャイボは少しこちらを睨むとつまらなそうに目を逸らした
とりあえずは、何も起こらず……
……ってことでいいのかな、?
緊張の汗でぐっしょり……
雷ちゃんが花柄のハンカチを貸してくれた
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
とんでも長くなってしまった!
ので分けます!
長い上にみんなのことあまり出せなかったので次いっぱい出します…!
今日中には出せると思いますが
次のお話は、キングの行方の謎と今回の事についてみんなでお話するみたいな感じになると思うので
ぜひ私の休憩にお付き合いくださいませ😙♡
そしてまたまたお気に入り様が増えまして、!
☆283
と最高記録です!
ありがとうございます🙏
お気に入りが増えていたら毎度更新していきますね👍
ここまで読んでくださってありがとうございました!
では次回よろしくお願いします🙇♀️


















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。