その日は、珍しく――平和だった。
太宰は、購買のパンをかじりながら呟く。
朔太郎が即ツッコミを入れる。
鏡花が冷静に言う。
その時。
どんっ。
大きな影がぶつかってきた。
太宰は、よろけそうになる。
だが、次の瞬間。
強い腕が、太宰を支えた。
振り向くと、背の高い少女。
長いポニーテール。
優しそうな目。
太宰は苦笑する。
朔太郎がぼそっと言う。
その瞬間。
校舎の窓が、ガタガタと震えた。
鏡花が、即座に言う。
廊下の奥から、重たい足音。
現れたのは――筋肉質な怪物。
朔太郎が歯を食いしばる。
まことは、息をのむ。
太宰が叫ぶ。
だが。
怪物が、まことの方へ突進した。
反射的に。
まことは、拳を握った。
――ドンッ!!
信じられないほどの衝撃。
まことの一撃で、怪物が吹き飛んだ。
全員が、固まる。
まことは、自分の拳を見つめる。
その瞬間。
天井の照明が、バチバチと音を立てた。
雷のような光が、まことの周囲に集まる。
ルナの声。
まことは、震えながらも、前を見た。
小さく、笑う。
優しい声。
その想いに応えるように――
雷の光が、走る。
稲妻の中で、姿が変わる。
緑の戦士――セーラージュピター。
太宰は、思わず呟く。
ジュピターは、拳を構える。
怪物が、再び立ち上がる。
三人の連携。
だが、怪物は、まだ倒れない。
ジュピターの瞳が、鋭く光る。
轟音。
雷が、一直線に怪物を貫く。
光の中で、怪物は消滅した。
静寂。
焦げた匂い。
ジュピターは、深く息を吐いた。
そして、太宰たちを見る。
少し、照れたように笑う。
太宰は、優しく言った。
こうして――
雷の戦士が、仲間に加わった。
残るは、ただ一人。
“愛と正義”の戦士。
そして――
運命のチームが、完成に近づいていく。
梶井セーラーサターン

黒歴史確定



















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。