あなたの下の名前は自身の作った氷像の出来栄えを眺めていた
とある気配に気が付かずに
その声でようやく気が付く
内心驚きつつもそれを表に出さないようにしながら横目で見る
そこには、全身真っ黒な服に布をマフラーの様に首に巻いている男だった
気配を感じさせないその立ち姿に少し警戒しながらその男へ笑みを浮かべつつ向き直る
あなたの下の名前side
その瞬間、男の髪が逆立つ
男が個性を使ったと判断し終える前に個性で作った氷が溶けるように消える
その拍子に氷漬けにされていたヴィランが解放されるが意識は無いようで
ドサリと地面に倒れこむ
…当然だろう
そういった感想を持ちながらも警戒を強める
顔を隠していた猫面を剥がされてしまったのだ
浮かべていたヘラリとした笑みが消える
…ヒーローか
私が言うのもなんだが
出来る限り目立ちたくはない
その拍子に男が首に巻いている布が意思を持っているかのように飛んでくる
それを危なげなく躱しながら言い放つ
呆れた様子───内心余裕はないが───を見せつつ一つため息をついてみせる
正直今やりあうのは得策じゃない
個性が潰されている以上、小細工で逃げようにもその小細工が使えない状況だ
…にしても、『イレイザー・ヘッド』か…
その名前を聞いた覚えは一切ない
メディアの露出を嫌っているのか…?
それとも、ただの噂にもならない初心者なのか…
…どちらにせよ警戒は禁物だ
おそらく個性を使えなくさせる個性
個性に頼り切りな自分は不利だ
それに加え作った氷も“消された”
イレイザーside
…本人は否定しているが、昨日の氷像の事件の犯人だと見ていいだろう
奴の個性を消したら奥にある同じような氷像が消えた
もし個性が違うならその氷像は消えることは無いはずだ
…ただ、あいつの物言いには不思議な点がある
確かに、昨日の事件の目撃者のうちの数人は
「助けてくれた」
「助けていた」
と言っていた人もいるらしい
…どうにも信じられないが、複数人が言うならそうなのかもしれない
もし洗脳だったとしても、人数が少なすぎる
…もしヴィランではなくヴィジランテだったら
行動を見ていると、どうにもヒーローだとは思えない
…どちらであっても連行して話を聞くのは確定だろう
…それすら嘘だったら相手が一枚上手だったとしか言えないがな
そう考えていた矢先の言葉
…堂々としておきながら人目に付きたくないのか?
ヴィランならヴィランらしく襲い掛かってくればいいものを
それが一番合理的なんだ
そんな事を考えている間にも奴は言葉を並べる
その言葉を聞き、俺は眉を顰める
あなたの下の名前side
…無言か
行動を大まかに見ればヴィラン
だが発言によってその思考が揺れている
そんなところかな?
ここからどう言いくるめたもんか…
向こうの表情的にはいい線いってそうなんだがなァ…
これでも“仮面を剥がされている間は”ヴィジランテとして動くつもりは無いんだが…
言ってしまえばそれはそれで豚箱行きになっちまう
詳しく覚えちゃいないが、ヒーロー免許も持たず個性を使うのはアウト…だったか?
その時点で引っかかるからなァ…
…あそうだ
先程の女性の荷物を拾い上げて差し出す
ちらりと中身を見た時に免許証が入っているのを確認したため、届けることは容易だろう
その言葉を聞いた途端イレイザーは怪訝そうにあなたの下の名前を見る
まぁ当然か
事件の犯人と思わしき人物から交渉を持ち掛けられ、
それに加えて「見逃せ」なんて言っているんだ
ヒーローだったら逃すとは思えない
もし自分だったら…
“GPS発信機でも相手に取り付けていつでも追えるようにする”
…何時危害を加えるかわからない人物を、ヒーロー様は果たして信用するのやら..
思わず素で聞き返してしまった
乗る?交渉にか?こんなにあっさり?
いつでも捕まえれるってか?
いやいや今目の前にいるこいつはそこまで油断しそうには見えない
なら何故…?
その言葉を皮切りにイレイザーの逆立っていた髪が戻る
個性が解除されたようだ
自然な動作で片方の手を裏に回して個性が使えるか確認しつつ問いかける
一言
自信にあふれた返事だった
その言葉に「あーそうですか…」などと小声で返しながらも個性で猫面を作り直し顔を隠す
既にバレてしまったが、一応だ
…それに、対処可能だと思われているなら好都合だ
返事は淡々とした声色だった
…この感じ、初心者というよりマスコミを避けてるだけの上級者に思える
…一応名乗っとくか
個性で細かい雪のような氷を発生させて煙幕の様に使う
数秒後にはその氷は消え、その場には女の荷物と倒れた男とイレイザーのみが残されていた

あんけーと答えてくれる人がいた…!!
一人だったけど…!!
助かりますホント…
初投稿なんで右も左も上も下もわかんないんですよ…

そしてこちらもありがとうございます
こちらも一名だけだったけど一旦ね…
これを見て今回2000字以上3000字未満に収めました
ちなみに細かく言うと約2700字
…長いのか…?短いのか…?
というわけでまたもやあんけーと
答えてくれると参考にするかもネ…
あと何気に今回の一話で三話分の文超えたね…
ダジャレじゃないよ…
アンケート
一話目二話目見ての長さの感想くださいな…
前回の方が良かったぜ!
0%
今回の方が楽しめたぜ!
50%
これよりもっと増やしてほしいぜ!(3000字以上)
25%
今回でちょうどいいけど間隔狭くて見にくいぜ!
25%
投票数: 4票
2026/02/09/17:21 ちょっと変更











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。