夜のリビングに、思わず声が響いた。
最初は小さなすれ違いだった。
だけど、いつの間にか言葉がぶつかり合ってしまって、空気がぎくしゃくしていく。
その一言で、胸がきゅっと締めつけられた
目の奥が熱くなって、気づけば涙がこぼれていた。
その瞬間、類の表情が一瞬で変わった。
類が慌てて駆け寄ってくる
普段の冷静さなんてどこにもない。
目を泳がせながらオロオロして、手をどうすればいいのか迷ってる様子が、逆に可笑しくて――でも、また涙がこぼれた。
そう言いながら、類がそっと私を抱き寄せる。
その声があまりに優しくて、心の奥までしみわたった。
ぎゅっと抱きしめられる。
背中を撫でる手があたたかくて、いつの間にか涙は止まっていた。
泣き顔で笑う私を見て、類もそっとほほえんだ。
静かな夜に、仲直りのぎゅーが、優しく響いていた。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!