車の中は誰も喋らず、康二の啜り声でいっぱいだった...
誰もが、『おねがい...』と祈っていた...
運転をしながら、いつもふっかが座っている助手席をみて、思った...
車に乗っているとき、そんなことを考えてしまった...
気持ちを切り替え、外の景色をみる...
昨日降った、雪が少しずつ溶けていっている気がした...
外は、雪で一面、白くなっていた...
通行人が吐く息は、白く、みんな寒そうだった...
ただ、深澤の名前を呼ぶことしか出来ない悔しさに呆れてしまった...
そして、祈ることしかできなかった...
電話越しに感じる、車の中の重さは、とてつもなく重たかった...
誰一人喋らず、沈黙している状態は、緊迫感を感じられた...
なにもすることが出来ない...そんな俺に、腹が立っていた...
ひたすら謝ることしか出来ない...もっと早く気付けていたらと、考えてしまう...
何してあげることが、ふっかにとってはいいんだろう...
完全に諦めた訳ではない...でも、諦めはついていたのかもしれない...
おれ、泣いてばっか...
励ますことしか出来ない...でも、その励ましはふっかさんに届いてるのか...?それも、わからない...
お兄ちゃんたちが、全員沈黙をしている...僕にとって、こんな光景をみるのは、初めてだった...
『おねがい...』
そう全員が祈りながら病院へ急いだ...












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。