第2話

両想いアプリ🍋
331
2023/10/03 08:00 更新
※ホラー要素、死ネタ
るぅとくんに密かに恋心を抱いていただけだった私が、最近少し噂になっていたアプリを使ってみた話。
ねね、あなたって、るぅとくんの幼馴染なんでしょ!?
あなた
あ、うん…
連絡先知らない!?
あなた
ごめん…
あなた
ココ最近は全然話してなくて…連絡先も知らないんだ
そっかぁ…
言ってて自分が惨めになる。
昔は仲良かったのに、今じゃもう全く話さなくなっちゃったもんなぁ。
もうアレ使うしかないかなぁ
あなた
アレ?
うん、なんかね、両想いになれるアプリがあるんだって
あなた
えぇ、嘘っぽ…
それなー?
でも毎日ミッションが課されるらしいんだけど、それをやってくだけで両想いになれた人は結構いるらしいよ
あなた
へぇ…
ただの噂でしょ、って思ってたけど。
いや、やっぱり気になるよね。
私は早速家に帰ってそのアプリを探してみると、すぐに見つかった。
どうせ嘘でも、まあ試すだけだし。
私はアプリをインストールしてみた。
まず、好きな人の名前と、住所を入力するらしい。
幼馴染の私は、るぅとくんの苗字はもちろん、住所も分かっていたので入力した。
するといきなり、ミッションが課された。
"二人きりになった時に挨拶をしてみよう!!"
なるほどこの程度ね。
そもそも二人きりになるチャンスなんて無いし、このミッションは達成できないかもなぁ、と思いながらアプリを閉じて、課題を始めることにした。
次の日。偶然登校中、るぅとくんに出くわしたのだった。家が近いからだけど、今まで行く時間が一緒なことなかったのに。
あなた
お、はよう
るぅと
おはよう
フワッと笑って挨拶を返してくれた。
何年ぶりに話したんだろう。挨拶だけで気持ちが晴れやかになった。
るぅと
なんか話すの久々だよね
あなた
ぁ…だね、
あなた
いつも登校時間とか、会わないのに
るぅと
そうだね
るぅと
あなたちゃん、いつも何時に出てるの?
あなた
えっと、7時半、くらいだよ
るぅと
そっかぁ
あ、話せてる。
すごい、普通に話せてる。嬉しい。
そのまま一緒に学校に向かって、私は機嫌が良いまま教室に向かった。
すると、昨日アプリのことを教えてくれた友達が項垂れていた。
あなた
どうしたの?
あー、ねぇ聞いて〜
昨日言ってたアプリさぁ、住所とか入力しなきゃいけなくって
私るぅとくんの住所とか知らないもん〜
あのアプリ使えなかったぁ…
あなた
そ、そうなんだ…
るぅとくんの連絡先知らないし、住所も知らない、よね…?
あなた
うん、知らない…
はぁ〜だよねぇ…
幼馴染の私だけが知ってる。
私だけが、るぅとくん相手にあのアプリ使えるんだ。
その日から、私は毎日ミッションを次々クリアしていった。
"目が合ったら手を振る"
"一緒に帰ってみる"
"一緒にお昼を食べる"
徐々に難易度が高いミッションになっていったけど、確実に仲良くなれているから、話したり誘ったりするのに、変な抵抗は感じなくなった。
このままいけば本当に、両想いになれちゃうかも。
あなた
るぅとくん?
あなた
なんか顔色悪い?大丈夫?
るぅと
ぁ…うん、大丈夫
そうは言っても、るぅとくんの目の下には隈があった。
私はるぅとくんの肩に手を置いた。
あなた
…無理したら駄目だよ
るぅと
うん…ありがとう
よし、今日のミッション、"さり気なくボディタッチしてみる"遂行!
るぅとくんとお昼を食べて、教室に戻った。
次英語の小テストだ、勉強しなきゃ。
自分の席で単語帳を開いて暗記していると、後ろの席の会話が、自然と耳に入ってきた。
なぁ、最近隣のクラスのるぅと、ストーカーされてるらしいぜ
は?まじ?
俺盗撮されたとか何とかって聞いたけど
あなた
…?
何、それ
まじかー、校外にもファンいるの?
羨ましいな
んー、でもあんま羨ましがらない方がいいぞ。最近のるぅと知ってるだろ?すげぇ疲れきってんの
夜中とかにめっちゃインターホン鳴らされるらしいよ
てことは、住所バレてんの?
らしい
だから、あんなに顔色が悪かったの?
私は心配で、その日はるぅとくんと一緒に帰ろうと思ったけれど、先に帰ってしまっていた。
そして。
もう、二度とるぅとくんに会うことは出来なかった。
るぅとくんが、自宅で自殺した。
後から詳しく聞いた話だと、るぅとくんはストーカーに加えて、家には脅迫文のような手紙が届くようになっていたらしい。
それに、耐えきれなかったんだ。
もっと、私が気づいてあげられてたら。
時間が開けて、やっと本調子になったところで、友達からある話を聞くことになる。
ねね、この前話したアプリ、住所入れなきゃいけないって話したじゃん
あなた
あぁ、うん…
あのアプリやばかったらしい
あそこに住所入れちゃうと、なんか個人情報色々流出しちゃうんだって
あなた
…え
待って。てことは。
私はあそこにるぅとくんの住所を入力した。
それが流出して、るぅとくんは自殺にまで追い込まれてしまったんじゃ…?
あなた
っ、ぅあ…
あなた?どした?
自分がしてしまったことの、重大さに今気がついて、背筋が凍った。
その日私は過呼吸になってしまって、保健室で休むことになった。
あなた
そういえば、あのアプリ、るぅとくんがいなくなってから開いてない。
私はアプリを起動した。
次の、ミッションは…
あなた
あ…
"好きな人に会いに行って告白しよう!!"
あなた
…簡単じゃん……
私は屋上に向かった。
そして柵に手をかけて、
好きな人に、会いに行った。

プリ小説オーディオドラマ