わが side
ot「なぁなぁ、最近のすん変じゃない?」
第何回かも忘れた同期会。編集終わりにやって来たこの居酒屋は全て個室となっており、積サーの皆で飲む際には何かと重宝している店だ。何やら用事があると言ってパスしたすんを除く3人で飲んでいたとき、急におってぃーが話を振ってきた。
sr「最近って…。すんが変なのはいつものことやないん?w」
「いや酷すぎなw」
ot「それはそうなんやけど、何と言うか…覇気がないって言うか」
sr「ほーん…?まぁ何となく分からんでもないな。あいつまた昼夜逆転しとるらしいし」
さるえるが飲みながら言う。確かにすんの元気の無さは俺も感じているところではあったし、最近の撮影は割と集合率が良かったのもあって溜まりに溜まった勉強企画が主になっていた。勉強企画では過去問やら問題集やらに1番造詣の深いすんが準備や司会を務める事が多い。だから何となく疲れているんじゃないかとは思っていたが…。
ot「え、すんまた昼夜逆転しとるん?マジで?」
sr「おん。だってあいつオレが帰った後もオフィス残ったりしとったで。多分夜はあんまし寝てへんのちゃう?」
ot「またか。私生活不健康すぎんだよなぁ…」
sr「ほんまそれwでも撮影はちゃんとやっとるし、また何か根詰めてやっとる編集でもあるんやろ」
二人の会話を聞いて妙に納得してしまう。この頃学業よりYouTubeを優先しているらしいすんは、日中の撮影があれば専業である俺やさるえると共に過ごすケースが主だ。ここ一週間のすんはパソコンに付きっきりであったと記憶している。私生活が不健康なのは周知の事実だが、撮影の重さに加えて激重編集までやるほどの昼夜逆転は不健康すぎやしないだろうか。さるえるの言った通り撮影の際には支障無いようだし、俺の見てる限りでも事故の様なものは起きていないが流石にこれは頂けない。
…って、あれ?
「…なぁ、ちょっとおかしない?」
sr「ん?どうしたん、わが」
ot「確かにアイツの私生活はおかしいけどな」
「ちゃう、そうやなくてさ。冷静に考えてみ?」
さるえるが言うには、すんは昼夜逆転している可能性が高いらしい。それはまぁ俺も思っていた。しかし俺が実際に見たすんはパソコンに付きっきりである姿くらいだ。となれば…
「あいつ、いつ寝てるんや…?」
ot「へ、何?どういうこと?」
sr「…え、あっ、そうやん!あいつ、オレらといる時寝てないわ!!」
ot「はぁ?!それマジ…?」
「マジマジ。日中ずっとパソコン弄ってるもん」
ot「…そうしたら単純計算でも3〜4時間しか寝てない事になるんやけど」
sr「3〜4時間!?待って待って、予想以上にヤバない?うせやろあいつ…」
ot「いやまぁ、まだ寝てないと決まった訳じゃないから!ほら、俺等も徹夜くらいするやん?」
sr「でもあいつがオフィスに残りはじめたのって確かここ一ヶ月やで、おってぃー。そっからだとしたら…何がどうあれ流石にヤバいわ」
考えていたよりも自体は深刻なようで会話が加速していく。そう、昼夜逆転だけならまだ分かる。俺だって編集や課題が終わらなかった時には徹夜することもザラだ。その分を日中に取り戻すことも多い。だがそもそもの睡眠時間を削ると言うなら話は別モノ。おってぃーの言った3〜4時間は多く見積もった場合の話で、暇さえあれば編集しているような社畜気質のすんがそんなに時間を取っているとは思えない。それにブルーライトに長時間当てられた後ならすぐに眠るのは難しいだろう。
sr「ちょ、確か明日って久しぶりの全員集合やんな?これあいつに問い詰めてみぃひん?」
ot「俺は賛成。これホンマやったらヤバいやつや。そうでなくとも最近仕事しすぎだしな。」
「先に根回しだけ済ませとこうぜ。俺、上回生組に連絡取ってみるわ」
sr「あとるんとうとまるちゃんにもな。もうこれ総員で掛からんとあかんヤツやもん」
『事件は会議室で起こっているんじゃない。現場で起こっているんだ!』とまでは言わないが、俺たちだけで話していても机上の空論にすぎない。一度話し合ってみることにし、各々に役割が決まった。俺は上回生組や後輩組に連絡、さるえるとおってぃーは問い詰める(説得)する為の作戦会議…といった感じだ。手っ取り早く連絡する為、一旦すん以外の面子でライングループを作ってしまうことにした。
『わが が キム、ゆうゆう、はしけん、ぴろまる、たっつー、おってぃー、さるえる、るんとう、まるちゃん を招待しました』
〜説明中〜
おってぃーが作戦を大雑把に説明していく。その作戦とは、
①すんが勉強企画を始める前に「一つ動画を撮らせてほしい」と時間をとる。
②軽い余興として「サプリ当て対決(仮)」を実施。(さるえるの持っているサプリの効能を当てる企画)
③その過程の中ですんに、あるサプリ(めっっちゃ軽い睡眠導入剤)を飲ませる。
…とまぁ大まかに言えばこんな感じ。飲ませると言っても無理に促す訳ではないし、すんは確かアレルギー云々は無かった筈。そういう点の問題は無いはずだ。ドッキリの一貫というか、勉強企画のお返し?というか…まぁそんな感じにも捉えられるだろう。
そうして企画の検討を重ね、なんとかそれなりの形にはなった。すんははなおさんのチャンネルでドッキリを仕掛けられまくった影響なのか、意外とこういうイベントに気づく節がある(気づいて尚引っかかるのが彼の良いところなのだが)。
また、勿論何も無いのが1番だが万が一のことを考えてはなおさんやでんがんさん等の大人組にもコンタクトを取れるようにしておくことにした。その日は早々に同期会を解散し、後日の作戦決行に備えていく。
………明日、本当に何事も無ければ良いが。一抹の不安を抱えながら、俺は当日を迎えるのだった。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。