… やっぱり 。
… 笑
この時の僕はどんな表情をしていたのだろうか 。
さぞかし 、さぞかし悪い顔で…
君に微笑んだんだろうね 。
❥ 赤 side
ほとけっちが 、あんなこと言うってことは …
まろは好きじゃなくて …?
混乱する頭で精一杯に 、整理する 。
そう考えていた時に丁度 、
ないくんが来て息を飲む 。
これは試し 。
ないくんには悪いけど 、少しだけ
ほんの少しだけ借りるね 。
そういって 、頬にリップ音を残す 。
すると 上から ピッ と音が鳴る 。
やっぱりだ 、やっぱり 。
どこかにカメラがある 。
ここで夫婦レベルが図られるんだ 。
自分のどこかの引っかかる部分が外れた気がした 。
見られてるなら 、仕方ないよねって
言い訳を押し付けるかのように
このカメラと夫婦レベルのせいにすると
妙に納得した自分がいた 。
ちゅ 、とさっきよりも綺麗なリップ音 。
唇に伝わる柔らかい感触 。
ないくんにファーストキスを奪われた 。
そう認識するのに時間はかからなかった 。
そう言って微笑むないくんに 、
比例する 、
赤くなっていくりうらの顔と
夫婦レベルの通知音 。
いつもと違うないくんの雰囲気に
驚きと羞恥を隠せない 。
きゅ 、きゅうにどうして … .ᐟ
そう考えた時に 、あることが浮かぶ 。
もしかして 、ないくんも俺と一緒?
ほとけっち達といっしょ?
だったら …
そう言うと 彼の身体がびく、と震える 。
やっぱり 、という感情に身を任せて
あることを提案した 。
そう言うと 、
ないくんの顔が歪んだ気がした 。
それは本当に一瞬で気のせいかと思うくらい 。
すぐに 、いつもの優しい表情に戻る 。
ないくんの 、息の飲む音が聞こえた 。
小さい頃から何考えているか分かりにくい彼が
こんなにも必死になる相手とか居るのかな 。
もしかして 、俺のことが嫌い … !?
そう言われたあと 、
自分の頬が緩むのがわかった 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!