長谷川さんに寮まで案内してもらい、私室に着いた時には
時計の針が、もう夕方の6時を指していた
夕食時だと思い、あらかた荷物を片付けて食堂へと足を運んだ
食堂に着いたら、第1部隊員が丁度訓練が終わった後
だったようで
食堂は人で埋め尽くされていた
あまり見ない顔が食堂にいるものだから他隊員の視線が
私に突き刺さっていた
早く食べてこの場を去ろう…
そう思い、食券を買って食堂の人に渡し順番待ちをしていると
急に後ろから肩をつつかれた
なんだ?と思い後ろを振り返ると
第1に来ると必ずと言っていいほど私に訓練をして欲しいと
せがんで来る
小隊長になった東雲が後ろにたっていた
久しぶりの再会を経て、挨拶を交わしたところで
食堂の人から出来たてのご飯を貰い食堂の隅っこの方に席を着いた
私の後を着いてくるかのようにして向かいの席に
東雲が座った
そう言いながら目の前で頭を抱える東雲
まあ無理もない、私は銃器、剣技、体術
どれをとっても指南役としてできるレベルらしい
と言っても噂されているだけで私自身に自覚はない
なぜなら、
体術は四ノ宮功
銃器は亜白ミナ
剣技は保科宗一郎
とそれぞれの分野のトップ達を自分の目で間近で見た事がある私自身がそう思っているのだから
そう言い席を立ってから食器を返却口に返して
私は食堂を出て行った
____訓練場in道場____
東雲が待っている間にある程度ストレッチをし、
準備運動をしていると
“やかましい”のが入ってきた…
そう言って驚いた様子を見せる
少しの沈黙が過ぎ去った後、何故か体が震え始めた鳴海
俯いていた顔が急に上がって何かを言おうとしたその時
ちょうど東雲が来たタイミングで鳴海の言葉がかき消されてしまった
息を切らしながら中に入ってきた東雲の方に鳴海が振り返ったのを見て
私も道場の出入口にいる東雲を見る
私がそう言った瞬間、鳴海から睨むような圧が凄まじかったが気にしないことにした
にしても、いつまでいるつもりなのか全く道場から出ていく
気配がない
まあ見学するつもりならそれでも構わないけど…
いや、なんか拗ねてるんだけど…
まあいいか、機嫌が悪いのなんか今に始まったことじゃないし
スタートと共に向かってきた先手必勝の一手
間合いを詰めてきた東雲、正面からみぞおちを狙った攻撃
先手必勝と言う考え方は悪くはない悪くはないが、
あまりにも…
攻撃を仕掛けることに意識がいきすぎて、
守りに入るのを完全に忘れている様に見える
そう思い東雲の体制を崩そうと足元を少し蹴った
それと同時に大きな音を立てて、東雲は背中から床に体を打ってしまった
と、そんな感じでずっと試行錯誤の攻撃を受け流しながら
東雲の気が済むまでひたすら続けた
稽古が終わり、少しアフタータイムとして休憩をとっていたら
今の今までずっと黙って様子を見ていた鳴海が口を開いた
#_訓練相手:13












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!