妖精の国、そこはいま今までにないほど酷い状態だった。
土地は荒れ果て、妖精たちはみな弱りきっていた。
こんなことになったのは先代の妖精の王の勝手な悪魔との契約のせいなのだ。
ただ、誰もそんなことを責めている場合ではなかった。
食べるものも、着るものも、飲む水もない。
そんな中、ある妖精たちが思いついた
「悪魔と契約して、この貧困をどうにかしよう」と。
そこで国の中で様々な妖精たちが契約者に選ばれた。
1人目は、
アイス。少し抜けているところもあるが、明るく優しい女の子。
2人目は、
レティ。幼い部分もあるが優しく明るい女の子。
3人目は
萌葱 夢。元気で、妖精の中ではかなり若い女の子。
4人目は
ラピス。契約者のなかで唯一の男の子。大人しいが思いやりのある男の子。
この4人が、契約者となる妖精達だ。
……私?私は……
この国の、今の王様……ですかね?
彼女たちには申し訳ないとは思ってる。
悪魔との契約なんて、誰もやりたくないことを押し付けてしまって。
でも、彼女たちにはこの試練を乗り越えれば、必ずいい結果が待っている
私はもう、彼女たちの物語には出てこないだろうけど……
そこの君たちは彼女たちをしっかり見守ってね。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!