あなたSide
翌日。
インターハイ予選二日目。
烏野高校との三回戦。
コートに入って、選手のみんなはアップをとっている。
昨日よりも盛り上がっている会場。
幸い烏野の応援は多いわけじゃないから応援でのまれることはないと思うけど。
応援があるから勝つわけでも、ないから負けるわけでもない。
つまり、どっちが勝つかなんて分からない。
ふと、私の視線に入ったのはコートの端で一人突っ立ってるのは英。
朝からずっと視線を感じる。
そろそろ声かけたほうがいいのか?
いつも英にはイジられるから今日は私からちょっとだけ意地悪してみたくなった。
英は分かりやすくて助かる。
私昨日なんかしたっけか?
自分で言わせておいて思い出せない。
私のせいで機嫌を悪くさせちゃったら試合にも影響が出るんじゃ…。
頑張って思い出そうとしてるけど全く分からない。
影山くん関係ある?
流石にないか?
でも、昨日英と関わったのは影山くんと話してたときくらいだし。
やばい。試合始まっちゃうよ。
あー…。時間切れだ。
スターティングメンバーは続々とコートに向かって歩いていく。
英には悪いけど思い出せない。
でも。
及川先輩の一言で雰囲気が引き締まって。
及川先輩の裏のない言葉だからこそ、みんなが全力で及川先輩を信じている。
大丈夫。今なら負けないと思う。
これだ。
・
試合が始まり、先制点を取ったのは青城。
まさかの一本目からツー。
二点目も青城。
烏野は練習試合とは違う青城に驚いているのではないか?
無理もない。
正式な指揮者に指揮されるこのチームは全くの別物なのだから。
ところで及川先輩は気づいているだろうか。
変人速攻の弱点と、変人速攻と普通の速攻との見分け方。
見分け方は気づいた頃だろう。
青城のタイムアウト。
随分と早い段階で取ったと思われるかもしれないけど。
ちゃんと理由がある。
そう。これが。
変人速攻の見分け方。
及川先輩、流石だな。
それと。
英に言わなきゃいけないことがあって。
返事がないから不安になる。
違ってたらとても恥ずかしい。
さぁって、
まぁでも。
タイムアウトの時間が終わり、私に背を向けてコートに戻っていく英の顔は最初より晴れてたから。
きっと大丈夫だろう。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!