国見Side
遅い。
あなたはよく誰かに絡まれるから。
バレーボールをやってる人しかいないところにユースがいたら、そりゃみんな声もかけたくなるだろうけど。
あなたが歩いていった方に向かって歩いていると曲がり角を抜けた先の長い廊下に人影が二つ。
小さい影と大きい影。
小さい方の影は間違いなくあなた。
もう一人は…。
なんであなたがあいつと一緒にいるんだよ。
気づいたときにはあなたのジャージの裾を引っ張って自分の方に引き寄せていた。
こいつがあなたに何の用だ。
あなたを掴む場所をジャージから手首に変える。
急に引っ張られて足元がバタついていたけど早く影山と離したくて踵を返して歩き出す。
振り向きざまにあなたは影山に声をかけたけど、構わず俺は歩いた。
あなたが影山と話してんのはなんか癪に障る。
影山Side
さっきまで俺の目の前にいたあなたさんを国見が引っ張って歩いていく。
あいつが自分から女子に近寄るなんて珍しい。
マネージャーだからか?
でも、あなたさんは。
会ったばかりの俺の話を聞いてくれたし、アドバイスくれたし。
いい人だっていうことは分かった。
顔だってそれなりに、
国見が好きになってもおかしくない……のか?
さっきの試合は中学の頃より何倍も頑張ってるように見えたし。
あなたさんの影響か?
俺にはよくわかんねぇ。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!