その瞬間、スケートを滑るかのように怪人は動き出した。
音を超えた速さで、縦横無尽に「液体の中」を駆け回っていく怪人。反対に、僕らはヒーロースーツがあるとはいえ、どんどん息苦しくなっていく。
だが、液体の中ということで弾幕も上手く張れず、一方的な攻撃を許してしまう。
打開できる方法を一つ思いついた。ただ、かなり全員が大なり小なり負傷するリスクが高く、あまりいい顔もされないかもしれない……それでも、可能性があるなら…!
瞬く間にバリアが完成し、僕以外が戦いから隔離された。
雷の槍を何本も作り出し、液体の中に突き刺して電流を走らせる。
体全体が痺れる。もう意識が飛びそうだ。だが、相手もそれは同じ…!
手元にのこった槍を、怪人に向けて思い切り投げる。それは胸の真ん中にきれいに刺さり、周囲の雷撃の避雷針となってすべて、怪人にダメージとして叩き込まれた。
その声を最後に、意識が途切れた。


























編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!