母さんが死んだ
そう伝えられたのは目が覚めてすぐだった
ほとけは目を閉じて下を向いている
母さんは女手一つで俺を育ててくれた
だから速くいい会社に入って
たくさん稼いで楽をさせようと思ってた
なのに__
こんなことになるなんて……
完全に顔が青くなっている
だめだった……
なぜか入院を申し出た所
断られた
きっと父さんに賄賂でも渡されているんだろう
俺はそっとほとけを抱きしめる
俺はほとけの耳元で誰にも聞こえないように囁いた
まずは作戦会議から
父さんは仕事に行って家にはいないが
監視カメラが付いてるから無駄には動けない
もしバレたら__
そうやってほとけが指さした場所には
確かに
『父さん出張』
と書いてあった
もちろん出張は嘘
どっかの女と遊ぶだけだろう
俺達はお金や荷物をかき集め、荷造りをした
俺が今までためてた金は父さんに取られててそこまでないが
頑張れば何日かは持つだろう
決行の日___
窓から見える空は真っ暗で
夜風が涼しい夜だった
俺はほとけをスッと手を差し出した
少し不器用に手を突き出す
ほとけの顔が明るくなる
俺達はしっかりと手を握りしめて
家に別れを告げた
そして玄関のドアノブに手をかけたとき__
ガチャ___
力を入れてないのにドアが勝手に開く
目の前には『出張』へ行ってたはずの父さんが立ってた
父さんが拳を振り上げる
その先にはほとけが_
ガンッ
鈍い音がした
ほとけの左頬が赤く腫れ上がっている
俺は今までの怒りを全部、足へ込めて
父さんを蹴った
俺はそのままほとけをお姫様抱っこし、
父さんを押しのけて家を出ていった
タッタッタッタ
静かな街に俺の足音だけが響く
もう父さんの声も何も聞こえない
俺はそっとほとけを公園のベンチへ下ろす
ほとけはあれからずっと泣いてる_
俺はほとけの隣に座って頭を優しく撫でる
俺はほとけに身を寄せて優しく抱きしめた
ほとけは俺の腕の中で大声を出して泣いた
俺はただ抱きしめることしかできなかった
それから数時間後
ほとけは泣きつかれたのか俺の横で
肩に頭を乗せて眠ってしまった
そんなことを言いながら
痛々しく腫れ上がっているほとけ左頬を触る
俺はカバンから湿布を出すと
ほとけの頬に貼った
俺はほとけを抱きしめて深い眠りへと落ちていった















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。