ほとけside
いふくんを部屋に通した
しばらくお互い喋らなかった
目の前で座るいふくんはじっと僕を見ている
その目は、冗談も茶化しも一切ない
やっぱり薬、見られちゃったか
ちゃんとしまっておけば良かったな、笑
なんも言いたくないな…
白い封筒…、なんでいふくんが持ってるの?
それは…薬の効果について書いてあるもの
病名は書いてないけどね
ごめんだけど、教えないよ…
僕は視線をそらした
ごめん
はっきり言ったのに、体の震えが止まらない
ー神様との約束が頭をよぎる
誰にも言っちゃいけない
言えば…メンバーが危険だ
いふくんは驚いていた
そりゃそうだろ、何言ってんだ?って言われたとしても仕方ないよね
って思ったけど
気にも止めずどうすればいいかと聞いてきた
なんで何も言われないのか不思議だった
相手が平然としてるなら僕も自然に居ないとね
いふくんが生きてるってだけで、それだけでも嬉しいのに…
それ以上求めるものなんてないよ、笑
だから…
ほんの一瞬だけ、いふくんの瞳が揺れた
僕は小さく笑って、目を伏せた
いふくんと他愛もない話をするのが好き
できれば、ずっと…一緒に居たかった
でも、僕の願いはいふくんが生きていてくれるなら
他に何もいらないよ…笑














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。