チチチチチッ
チチチチチッ
ひゅーと静かな風が吹くと、小さな小枝とモズが揺れた。白くて冷たい空に、モズの鳴く声が響いていた。
今日は一段と寒い日になりそうだ。
んん、喉が痛い,,,。
喉のヒリヒリとする痛みに起こされた。
風邪でも引いたのだろうか、体温計で計ってみることにした。
ピピピッ
そう思った俺は重い体をぐっと起こした。
ふら,,,
着いた足から力が抜けるような感じがして、とっさに壁に手を着いた。
よし、と思ってもう一度歩きだそうとするが,,,
ガターン
今度は転んでしまった。
その衝撃が頭に響いて、視界がぼやけた。
立とうと体に力を入れるが、今度はちっとも動かない。
そう思いつつも渋々、朝一緒に行く幼馴染みの海と陸のグループに連絡を入れた。
* * * * * * *
はぁ、と息を吐くと2人の口元の空気が白くなった。
話していると『ピロリンッ』と、メールの音がした。
陸は、怒ったように下唇を噛んだ。はーと盛大に溜め息をつくと、スタスタと歩き始めてしまった。
学校が終わっても空は来なかった。2人はすぐ隣にある空の家へと向かっていた。
ガチャ
空の部屋に入るとベッドで丸くなっている空の姿があった。
そう言って、海は空の顔を覗き込んだ。
空の目はとろんとしていて、頬は少し赤い。呼吸も少し荒く、咳をすると薄い肩が揺れていた。
海は半ば無理矢理体温計を脇の下に差し込んだ。
ピピピッ
体温計が鳴ったので、海と陸は体温計を覗き込んだ。
キッとした目で陸が睨むと、空は眉毛を下げてへらへらと笑った。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。