第6話

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2026/03/03 10:00 更新
















次に風柳を見かけたのは、放課後の訓練場だった。






広い空。



乾いた地面。



そして、吹き荒れる風。




強風が渦を巻き、空気が唸る。


まるで目に見えない刃のように、空間を切り裂いていた。




その中心に__________先輩がいた。




片手を伸ばし、静かに呼吸を整えてている。



長い髪が激しく舞うのに、その姿勢は少しも揺れない。




俺は思わず足を止めた。



轟焦凍
(……すごい)




ただ風邪を操っているわけじゃない。




風が彼女に従っている。




いや、__________風が彼女を守っているように見えた。





次の瞬間。




突風が爆ぜた。



空気が弾け、衝撃が地面を叩く。


けれど先輩の表情は穏やかなまま。



あなた
……そこにいるの、轟くんでしょ?





肩がびくりと跳ねた。



轟焦凍
……気づいてたんですか

あなた
風が教えてくれるの




振り返った先輩が、少し得意そうに笑う。



その笑顔を見た瞬間、胸が締め付けられた。


あなた
見学していく?

轟焦凍
……いいんですか?

あなた
もちろん



そう言って、先輩は軽く手を差し出した。




あなた
危ないから、少し近くに来て
風の流れを調整するから



俺は一瞬迷い、その手を取った。




触れた瞬間、




やわらかい。


温かい。



思ったよりずっと細い。


けれど、力強かった。





次の瞬間、周囲の風が変わる。



さっきまで荒れていた空気が、静かに、優しく流れはじめた。




まるで、2人だけを包み込む結界みたいに。







轟焦凍
……すごい




俺は思わず声が漏れた。




轟焦凍
こんなふうに風を変えられるんですね

あなた
守る風は得意なの



先輩は繋いだままの手を見下ろした。




その視線に気づいて、俺の心臓は跳ねる。




離すべきか?


いや、離したくない。



沈黙が落ちる。



風だけが、静かに2人の間を流れていた。




あなた
……轟くんの手、冷たいね

轟焦凍
半分、氷なんで

あなた
ふふ、知ってる




彼女の指が、ほんの少しだけ強く握る。




その瞬間、俺の胸の奥で何かが溶けた。



__________あぁ。




これが、




これが、恋なのかもしれない。





あなた
ねぇ、轟くん



先輩が静かに言う。




あなた
私の風、怖くない?




俺は迷わず答えた。




轟焦凍
……全然




そして、少しだけ視線を逸らして続ける。



轟焦凍
むしろ……安心します




次の瞬間、そよ風がふわりと2人を包む。




優しく。



静かに。



抱きしめるように。




あなた
…それ、すごく嬉しい




先輩の声は、風に溶けそうなくらい小さかった。




けれどはっきり届いた。




つないだ手はまだ離れない。




風も止まない。




そして気づく。




先輩の隣は、こんなにも温かいのかと__________。




𝙉 𝙚 𝙭 𝙩 ︎ ⇝︎

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