先生の説明が終わり、ウォークラリーが始まった
ルールは簡単
紙の地図に書かれた道順通りに森を歩く
その道中にあるチェックポイントに向かい、そこにいる先生にスタンプを貰う
そうやって全てのスタンプを集め、早く帰ってきた班が勝ちだ
勝った班には、学校の購買で使える商品券が貰える
俺はハナとヨンボガと同じ班
見ての通り、2人共とても張り切っている
先が思いやられたが、2人に置いて行かれないように、俺は後を着いて行った
山道で人なんておぶったら、俺もくたびれるだろう
ハナのさっきまでのはりきりは、どこに行ったのやら
俺達は森を歩き回り、ようやく全てのチェックポイントを回り終わった
俺が両手が塞がっていた時、ハナが持ってくれたのだ
だから、地図はハナが持っているはず
ヨンボガが、ハナのリュックを漁り出した
探し始めてから少し経ったが、様子がおかしい
どうやら、嫌な予感が的中してしまったようだ
確かにさっき休憩をした時、ハナはリュックの中から荷物を出していた
その時に地図も出していたのかもしれない
俺たちは来た道を戻った
そして、休憩した場所に辿り着いたが……
切り株の上には何も見当たらなかった
2人は周辺を探し始めた
この休憩した場所まで戻って来れたのは、それまでの道が一本道だったからだ
でも、これ以上道を戻るには、分かれ道を沢山乗り越えなければいけない
どこをどう通ったかなんて覚えてるわけないし、適当に戻ってみたところで、道に迷うだけだろう
俺はポケットからスマホを取りだし、画面を開いた
ここは山の奥
電波が届くはずがない
連絡手段は何も無いし、道順は地図が無いと分からない
つまり地図が見つからなかったら場合、俺達は終わりということだ
待ち続けて数分、俺達以外の人影すら見当たらない
みんなこのコースじゃないのだろうか
ずっと歩き回り続けたから、そろそろお腹が空いてきた
こんな状況になるとは全くもって予測していなかったから、さっきヨンボガに貰った手作りお菓子は、もちろん完食済み
ゴミしか持っていない
そう言って、ハナはポケットを漁り出した
ハナがなんだかやらかしたような顔をしている
そうやって、ハナは気まずそうにポケットからあるものを取り出した
なんとハナがポケットから取り出したのは……
俺達がさっきまで必死に探していた、地図だった
折り目から、クシャクシャに畳まれていたことが分かる
こうして俺達は、地図通りに無事に帰ることができた
もちろん到着は1番最後
先生達の想定時間より大幅に遅れてきた為、めちゃくちゃ心配されたが、事情を説明すると、笑われた
明日も明後日もいろいろイベントがある
トラブルが起きないよう、次の日は慎重に行動しようと思ったのであった
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。