第12話

#12
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2025/06/09 10:00 更新
日が真上にある。
本を途中まで読もうと思っていたのだが、
結局、最後まで読んでしまった。
もう昼頃だろうか…?
そう思って、時計を見ると10時だった。
クッ…外したかっ…

今日は紅葉さんの訓練がない。
休みの日である。
私は満喫していた。
着替えたのも今さっきである。

私、感激。
やっぱり、ブラック会社よりも
全然ホワイトである。
あ、でもチョコレートはブラック派であるが


今日は何しようかなぁ…
そんな思いを張り巡らさせているときだった。

トントンッ…



部屋のドアが叩かれた。
珍しい。
此処は人があまり通らない廊下の
1番端っこにある部屋なので、
誰も来やしないし、
声すらしない。

まあ、異能力の練習をするときには
とても助かっているけれどね…



誰が来たのか、
全く予想もつかなかったので
待たせたら悪いよな…
そう思って私は言った。




「…どうぞ」



ガチャ…

扉の先に居たのは




太宰「おはよう!あなたの下の名前。」

太宰さんだった。

…いや、ゑ??????


…勿論太宰さんは私の部屋を
訪れたことは何回かある。
でも、それは午後6時と決まっていたのだ。

だが、今は午前中である。

今、思いっきり宇宙猫顔を晒しているだろう。


そんな私を面白い目で見た太宰さんは
今思い出したかのような表情をしていった。



太宰「今から、買い物にいかないかい?」


ゑ????(本日二回目


















太宰「…この本なんて素晴らしいんだろう!」

太宰さんに連れられ、
私達は中古本屋さんに入っていた。

そして、沢山ある本を見歩くなかで
太宰さんは呟いた。

目は輝いている。


え。太宰さんが、面白いという
本なんてあるのか…?((失礼

そう思って、題名を覗くと
赤い字で大きく
『完全自殺本』と書いてあった。




こっこれはあの有名な本…!?
その本を入手した瞬間に立ち寄れるなんて…
嬉しスンギだ………


そんなことを私が思っているとき
私が題名を覗いていたことに気づいたのか
太宰さんは言った。


太宰「もしかして、あなたの下の名前も
   自殺に興味があるのかい、!」



「いえ、別にそういう訳では…」

そういうとあからさまに
眉が下がる。

太宰「そうなのか…其れは残念だね。」



「あ、でも、その本を読み終わったら
  貸してくださいませんか…?」


太宰「いいよ。でも…なぜだい?」

太宰さんは不思議そうに此方を見つめた。
 

「だって『完全自殺本』だなんて題名、
 滅多に見ないですし…
 面白そうじゃないですか。」


太宰さんは目をまん丸くさせ、
すぐに笑っていった。


太宰「確かに、そうかもしれないね笑」



まぁ…聖地巡礼ならぬ聖地読書(?)というやつを
したかっただけである















______________________

太宰さんと買い物に行った後の話である。
私達は森さんに呼ばれた。



森「これはどうにもならないねぇ…」


静かな部屋に森さんの声が響く。
資料を見て、ため息をつく勢いである。
私は温かい珈琲を入れた
マグカップを森さんのデスクに置く。
そして、太宰さんには温かいホットココアを。
ありがと…そう言って太宰さんは受け取った。

私は今、かの有名なシーンに立ち寄ってます。
ありがとう。世界。そして、神。

森「ああ、ありがとう。あなたの下の名前ちゃん。」

ニコッと優しく笑う森さんを見て、
私はこくりと頷いた。

湯気が出るマグカップに口をつけた森さんは
ふぅ…そういって一息つくとまた口を開いた。


森「密輸銃の納入期限が二週間も過ぎてるし、」


森「これじゃあ、もうじき部下は
  全員キッチンナイフで敵と戦うことになるよ」




森「それだけじゃない。
  市警が出動した暴力事件で
    今月だけでもう三件。」  


森「末端構成員が
  制御しきれなくなっているのだね。」



森「保護ビジネスの契約解除…
  他組織との抗戦激化。」


森「縄張りの縮小…困ったねぇ…、」


眉をひそめて、段々と頭の位置が下がる。





森「ボスになって一年。
  問題が山盛りだ、、」


森「組織の頂点に立つのが、これほど大変とは…」
 




すると、回る椅子を回転させ
此方の方を見ていった。





森「ひょっとして向いていないのかなぁ…?」


森「どう思う?太宰君。あなたの下の名前ちゃん」
森「というか太宰君に至っては聞いてるのかい?」



太宰「聞いてますん」



森「…どっち?」

思わず森さんはツッコんだ。

太宰さんはつまんなそうにしながら、
口を開く。

太宰「だって森さんの話、
   いつも退屈なんだもの」

手を動かしながら、太宰さんは言った。


森「それでも、あなたの下の名前ちゃんは
  ちゃんと聞いてくれてるのだけれど…」

私は苦笑いを浮かべる。

森さんの小さな呟きのような言葉は勿論、
太宰さんの耳には届いた。



太宰「うるさいなぁ…」

そして、
反論するかのように太宰さんは言葉を並べた。


太宰「お金がない。情報がない。
   部下からの信用がない…」


太宰「そんなこと最初から分かってたことでしょ」


その言葉を受け、森さんは頬杖をついた。

森「それはそうなんだけどねぇ…」




森「あなたの下の名前ちゃんはどうだい?」



「あはは…こればっかりはどうしようもないかと…」

「時間が解決してくれるのを待つだけですね…」


森「そうだよねぇ…」

そう言う森さんは困った表情だった。

これからの会話の展開は私が居たら
原作通りにならないと
思った私はトイレに行ってきますね。といって
廊下へ出る。


勿論、トイレなんて行くわけないが。
廊下の壁に耳つけてやるぜ(?)



森「…ところで、太宰君。」


ずっと気になっていたのだけれど…
そう言って森さんは口を開く。



森「何故君は高血圧の薬と低血圧の薬を
  混ぜているのかね?」


太宰「まとめて飲んだら何か凄い事が起こって
   楽に死ねるかなぁ~って」



森「死ねません!」

さぞ当たり前のように淡々とした口調で
言う太宰さんの言葉を森さんは一蹴りした。




太宰「やだ!やだ!死にたい!」


太宰「詰まんないから死にたい!
   なるべく楽に死にたい!」


太宰「森さん、なんとかして!」



森さんが太宰さんから其れを取り上げると
子供のように腕と足をバタバタとさせて言った。




森「大人しくいい子にしていたら
  その内、薬品の調合法を教えてあげよう。」


森さんはそんな太宰さんを赤子をあやすかのような
優しい口調でなだめる。


太宰「嘘!」


太宰「そう云って僕をこき使って!」



太宰さんは噛みつくように反論した。


太宰「一年前、
   あれだけ大変な思いをさせておいて!」


太宰「結局教えてくれなかったじゃないか!」




太宰「こうなったら裏切って
   敵組織についてやる!」



森「…適当な思いつきを喋るのはやめなさい、
  いい子だから。」


森「裏切ったら楽に死ねなくなるよ。」



そう森さんは言葉をかける。
だか、太宰さんは話にならないといった様子で
腕を頭の上で組んだ。






太宰「あぁ~退屈だなぁ、
   この世界はなんて詰まらないんだろう。」


嘆くように言った太宰さんに
森さんはさっきより少しトーンが下がった
静かな声で答えた。


森「…そもそもだね。太宰君。」


森「君は私が先代から首領の座を継承した時
  その場にいた唯一の人間。…つまり」



森「遺言の証言者に簡単に死なれては困る。」






太宰「…アテが外れたね。」

太宰さんの言葉を聞いて、
森さんは意味が分からないといった様子で
首を傾げた。



森「、何のことだい?」



太宰「自殺未遂の患者を共犯者に選んだのは
   良い人選だったのに、」


太宰「…“不安の種“
    こうして僕は生きてる。」




森さんの目は少し切り開かれている。



森「…………」




森「何の話をしているのかな?」




太宰「分かっているくせに…
   僕が生きてるってことは、」



太宰「先代暗殺が外部に漏れる
    不安があるってこと」




森「アテが外れてなんかいない。」


森「君と私とで、みごとに作戦を
  遂行してみせたじゃないか。」


両腕を腰らへんまで掲げる。


森「…もう二度とやりたくないけどね…」




太宰「作戦は完了していない。」


それを遮るかのように太宰さんの言葉が
部屋に浮かぶ。


太宰「作戦っていうのは暗殺と遺言捏造に
   関わった人間の口が封じられて
   初めて完了って云うんだ。」


太宰「…その点 僕は共犯者にとして適任だった。」


太宰「だって、」





太宰「誰も疑わないから。
   僕の証言で貴方が次の首領になった後」


太宰「僕が原因不明の自殺を遂げても」



暗く、重い空気が張り巡らされているみたいな
静けさが間をすり抜ける。





太宰「…なんてね!」


太宰「適当な思いつきを云って
   偉い人を困らせるのは楽しい。」


太宰「最近の娯楽です。」


さっきとは違うおちゃらけた口調で
太宰さんは言う。



緩くなった空気で森さんは口を開いた。

森「…君に似た人を知っている。」


太宰「…誰?」


その問いには答えなかった。


森「兎に角、大人をからかうのはやめなさい。」


森「私が君の口封じをする心算なら
  とっくにやってる。」


森「…呼吸より簡単にね。」



森「私が今年に入って何度
  君の自殺を阻止したと思う?」


森「一度なんか爆弾解除の為に
  映画の主人公みたいな事までしたのだよ?」


思い出すかのように目を瞑っていった。
そして、するすると椅子に座る。


森「君に死なれたら先代派が
  『やはり首領交代は陰謀だった』…と
  騒ぎだすからね。」


森「今年に入って既に二件。
  “先代派“による私の暗殺計画が発覚。」


ピースサインのように二つ指を掲げていった。


森「…どれだけ私を認めない“先代派“がいるのやら」


森さんは束の紙の中から紙を一つ取ると、
ペンで何やら書き始める。


私は今だなと思い、
部屋に戻る。

お帰り。そういう森さんの言葉に頷いて
さっきと同じ場所に立つ。


森「太宰君、君がそんなに望むなら」


森「楽になれる薬品を都合してあげてもいい。」


太宰「本当?」

あんまり信じていなそうな声色である。




森「その代わりちょっとした調査を頼みたい。」


森「…何、大した仕事じゃない。」


森「危険もない。
  だが、君にしか頼めない。」



太宰「うさんくさっ…」

太宰さんは露骨にに顔をしかめた。


森「あなたの下の名前ちゃんも
  同伴してほしいんだけど、いいかい?」


太宰さんだけだと心配だというようにいった。


「勿論です。」


私は心の中では叫びながらも
平常心を保ち言った。
私も行っていいんすかぁァ、??!!!!
心の中のあなたの下の名前は興奮している。



森「二人とも、横浜租界の近くにある。
  擂鉢街は知っているかね?」



私は頷く。



森「その近辺で最近、ある人物が現れた…という
  噂が流布している。」



森「その真相を調査してほしい。」



さっきの紙を私達に見せる。


森「これは『銀の託宣』と呼ばれる
  権限委譲書だ。」


森「これを見せれば、マフィア構成員は
  何でも云うことを聞く。」



森「好きに使い給え。」




太宰さんはそれを少し見つめたが、
目をすぐ逸らし森さんに問うた。



太宰「ある人物って?」

「ある人物とは誰ですか?」


太宰さんと声がシンクロする。
ウワァ…被せちまった。
そうだよ…此処のセリフはそうだったじゃないか…
流石に記憶も薄れてきてるなぁ…

私、後悔。
此処まで来たら最後も
シンクロさせようぜと吹っ切れたが


森「当ててご覧。」


私は考える振りをする。
太宰さんを見ると
面倒くさそうに口を開こうとしていた。


太宰「…考えたくない。」


森「いいから」


はぁ…そういうような心情を私は汲み取った。
太宰さんは言葉を続ける。



太宰「『銀の託宣』を遣う程の噂…
   真相を確かめ、発生源を
   潰しておかなくてはならないほどの」


太宰「多分。重要なのは人物自体じゃなく、
   噂そのものだ。」


太宰「しかも専門家や優秀な部下じゃなく
   僕と最近入ったばかりで前のことに
   ついてあまり知識のないはずの
   あなたの下の名前を
   使う理由となると現れたのは_」




太宰「先代の首領だね?」


「先代の首領さんでしょうか…?」



森「その通り。」

そうして、私の方を見て
少し驚いた表情をする。

森「…あなたの下の名前ちゃんも
  分かってしまうなんてね。」
 

森「君は先代のことを知らないはずだろう…?」




「元々、噂で先代の話を聞いていたんです。
 あとは太宰さんの推理で分かっただけですよ。」

私の親は一応、此方側の人間だったので、
そういって私は笑う。

太宰「へぇ…僕には最初から
   分かってたように見えたけどね。」


太宰さんが此方を見つめる。
私は苦笑して何とかその場を乗り切った。
いやぁ…言わなきゃよかったなぁ…
これで疑われたりなんてしたら
私の未来に希望はないじゃないか……(自業自得)

しばらくして太宰さんの目線が森さんに移ると
森さんは口を開ける。



森「世の中には安らかに眠っているべき
  人間が存在する。」


森「…墓から起き上がってはならない人間が」









太宰「…確かに、僕達以外には頼めないね。」


そういって立ち太宰さんは椅子から立ち上がった。



太宰「薬、約束だよ?」


太宰「絶対だからね。」


森さんは分かっているという返事をするように
ニコリと微笑んだ。


森「これが君の初仕事だ。」



森「“ポートマフィアにようこそ“」


あ、勿論あなたの下の名前ちゃんも
給料を払うからね。
森さんはそう言葉を付け加えた。



太宰「あなたの下の名前行くよ。」



そう云って私は小走りで駆け寄る。



だが、太宰さんは
ドアの前まで歩くと立ち止まった。



太宰「ところで、さ。」



太宰「さっき云ってた僕に似た人って誰のこと?」




森「私だよ。」


空白を空けずに森さんは言った。


森「太宰君、私には理解できるか分からないが
  聞かせてくれ。」


森「何故君は死にたい?」
  











太宰「僕こそ訊きたいね。
   生きるなんて行為に何か価値が
   あると本気で思ってるの?」



本当に訳が分からないといった様子で
自分の思いを太宰さんは語る。



確かにねぇ……
(おばさんみたいな感想であると自分でも思う)

少し…ほんの少し漏れてしまった
私のその声が聞こえていたのかは分からない。


そして、当たり前のことなんですが、
そういう太宰さんの
かっこよさと怖さは鳥肌もんでした。



















おまけ_


森と太宰は二人で話していた。


森「一年前の話をしているとき、
  あなたの下の名前ちゃんは廊下で
  聞き耳を立てていたのだよね。」


へぇ。そういって太宰さんは言葉を返す。



森「…内通者という可能性が高いかもしれないね。」

森さんは少し悲しそうに呟く。
太宰さんはそれを聞いて答える。


太宰「いや、それはないね。
   あなたの下の名前は
   リスクが高いことはあまりしない。」

あっけらかんと言う。
太宰さんは一息ついた。




太宰「…けど、そしたら聞き耳を
   立てる必要はないよね。」


太宰「だから、何かを隠していることは確定。
   未来を読むような行動だったから
   …異能力持ってたりして」


森さんの目がキラリと光る。


森「…物事が分かってしまうような
   異能力ってことかい?」


太宰「どーだろうね。
   まだ分からないよ。」


太宰「肩に触れたときには何も起きなかったから」



あなたの下の名前が
異能力を持っているとバレる日は
近づきつつあるかもしれない。









_______________________

更新が遅れてしまい、すみません!
打ち込んだデータが一回ぶっ飛びました。
やっと、「太宰、中也、15歳」に入りましたねぇ……
嬉しい。中也さんが出てきますよぉ……


あとですね…1番衝撃なのが…
……フォロワー様が…40人…???
ゑ……?まじですか…??
ありがとうございます。。。。
これからも精進します…!!


ちょっと気になったので、
質問です!

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