第2話

伴侶
710
2022/01/30 04:44 更新
多簿稲出
憲紀様!お庭を歩きましょう!...側妻はお茶用意して。
憲紀(幼少期)
母様は側妻なんかじゃ...!
多簿稲出
ほっときましょ!さ、お庭に
憲紀は稲出が大嫌いだった。そして家の者も大嫌いだった。


あの一筋の光以外は。
加茂憲紀
...あなた。......会いたい。
あなたは五条の血を引いてるだけで身分は悪かった。あまり戦闘能力もなく、落ちこぼれ。というやつだろう。

でも優しくて...心はとても強かった。雨に負けないような眩しい太陽。そんな感じだ。


幼い時ーー...


パシンっ!
多簿稲出
側妻!私のお着物は!?
憲紀の母
すみません...
多簿稲出
役立ずねっ...!
憲紀(幼少期)
母様!大丈夫ですかっ、!?
多簿稲出
憲紀様!?この側妻私のお着物用意しなかったのですよ!?
私を案じて下さい!
すると


すー...
あなた(幼少期)
あの...
多簿稲出
は?
あなた(幼少期)
お着物...私のあげる。だから、この方を許してあげて下さい...
少女の手元にはとても綺麗な赤色の着物があった。
あなた(幼少期)
悟様が私にくれたのですが...事情を話せば悟様は分かってくれます。どうか...私の顔を立ててくれませんか?
稲出はその綺麗な着物に魅入った。しかし...
ばしっ!
多簿稲出
...っ!いらないわよ!
すー...ばん!

...稲出は怒って出ていった。
あなた(幼少期)
...
憲紀(幼少期)
...
憲紀の母
...
あなた(幼少期)
...大丈夫ですか?
憲紀の母
あ、はい。
憲紀(幼少期)
...ありがとう...
あなた(幼少期)
いいの、このくらいですんだし。お気に入りの着物とられなかったし。
憲紀(幼少期)
え?お気に入りの着物を母様のために売ろうとしてくれたの?
あなた(幼少期)
...ごめんなさい!恩着せがましい事をっ...
憲紀(幼少期)
そんな!...ありがとう
あなた(幼少期)
いいえ、...。これから加茂家でお世話になる事になりました。あなたの名字あなたと申します。

私はこれで失礼します。
憲紀(幼少期)
あ...
あなた(幼少期)
...
あなたは襖の前で止まり振り向いた。
あなた(幼少期)
お美しい母様ですね。(にこ)
...ぱたん
憲紀(幼少期)
...!
嬉しかった。今まで誰も母を褒めてくれることはなかった。そして庇ってくれた事も。

あの子は気に入った自分の着物をなんの躊躇もなく差し出し頭を下げてまで母の見方をしてくれた。

あの子と仲良くなりたい。憲紀はそう思った。

プリ小説オーディオドラマ