憲紀は稲出が大嫌いだった。そして家の者も大嫌いだった。
あの一筋の光以外は。
あなたは五条の血を引いてるだけで身分は悪かった。あまり戦闘能力もなく、落ちこぼれ。というやつだろう。
でも優しくて...心はとても強かった。雨に負けないような眩しい太陽。そんな感じだ。
幼い時ーー...
パシンっ!
すると
すー...
少女の手元にはとても綺麗な赤色の着物があった。
稲出はその綺麗な着物に魅入った。しかし...
ばしっ!
すー...ばん!
...稲出は怒って出ていった。
あなたは襖の前で止まり振り向いた。
...ぱたん
嬉しかった。今まで誰も母を褒めてくれることはなかった。そして庇ってくれた事も。
あの子は気に入った自分の着物をなんの躊躇もなく差し出し頭を下げてまで母の見方をしてくれた。
あの子と仲良くなりたい。憲紀はそう思った。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!