はぁはぁと息が上がり足はもうヘロヘロだった。
最後にもう一度だけあなたに会いたくてここまで来たんだよ
会ったら何を言おう、
きっと心配されるよね、
「会いたかった」?
「今までありがとう」?
本当に頭の中は伝えたいことで溢れかえっていた。
足がもつれて盛大に転んでしまった
足からは血が溢れ出て顔にも擦り傷ができてしまった
頭に悶えながらも私はしっからとした足取りを保って再び走り始めた
やっとのことで颯太の家に着いた時にはもう彗星が落下する10分前だった
インターホンを押すと颯太のお母さんが出てきたがどうやら颯太はいないようだった
私がそう尋ねると彼女は1つの写真を渡した
私と颯太が遊んでいる写真、
お辞儀をしてからまた私は走り出した
写真のこの場所は、、、
間に合うだろうか、
いや間に合わせるんだ!
傷跡が痛くて足取りが重くなる
それでもがむしゃらに無我夢中で走った
昔2人でよく遊んだ公園
人があまり来ない場所だったので2人の秘密の公園と呼んでいた
声が掠れてしまってうまく出ない
時計を見るともう3分を切っていた
慌てて公園の中に入る
私の瞳に涙が溢れた
彼はこの公園のある場所が好きだった
街を上から一望できるベンチ
予想が当たり彼はそのベンチに腰掛けていた
月明かりと彗星の輝きで彼の横顔がキラキラと光る
私は目から溢れた涙を拭い彼の横に腰掛けた
彼は東京に上京したから居るはずないと言う思いとボロボロになった姿を見て苦く心配する思いで混乱しているようだった
でもお構いなしに私は話を進めた
颯太は困惑しつつも話を聞いてくれた
いい終わる前に颯太の口にしーっとするように人差し指を当てた
その言葉を聞いた瞬間颯太の目から涙が溢れた
私もやっと、、、
やっと言えたよお爺さん、
何度も何度も謝る颯太を胸の中で抱きしめた
いいんだよ颯太
出会ってくれて
生まれてきてくれて
私なんかを好きになってくれて
本当にありがとうね颯太
もしもこんな終わり方じゃなければ君ともっと一緒にいられたのかな、
君を手放さずにいられたのかな
多くの想いで私の胸はパンパンになった
でもいいの世界が終わるその瞬間に貴方と居られるんだから
貴方にこの想い伝えられたんだから
そして私たちは世界が終わるその瞬間まで互いのことを抱きしめて離さなかったのだった
目が覚めるとまたあの世界にいた
全てが業火に焼かれ瓦礫のみが残った世界、
辺りを見回しても颯太の姿はなかった
お爺さんの視線の先を見つめるとそこには颯太の姿があった
颯太を思い切り抱きしめた
今度は絶対離さないよ
この終末の世界で今宵君に会えてよかった
少年と少女はそう思いながらもう2度と互いの手を離すことはなかった。
完結












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!