《Arno End》
いつか傘を差して歩いた、遊歩道。
ひとり佇むオオカミの着ぐるみ。
赤い風船が静かに揺れる。
「......アルノさん。」
私の声に、彼はゆっくり振り向く。
沈黙の中、自分の心臓の音が響いていた。
「アルノさん、私……あなたのことが好きです。あなたの暖かさに、触れていたいと思いました。」
右手を出す。ほんの数秒の間が、
何十分にも感じられて―――
赤い風船は、空高く舞い上がっていった。
彼はそっと封筒を、私の手に握らせた。
次の瞬間には、彼は背を向けて歩き出していた。
残されたのは、私の手の中の白い封筒だけ。
中には、たった二行の文字。
"君を騙すことが、怖かった。でも、君を見つめるたび、世界が少しだけ綺麗に見えた。”
頬が涙を伝う。
でもその涙は、暖かった。
アンケート
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Junseo
32%
Geonwoo
43%
オオカミくん達の独白に進む
25%
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。