そして時は流れて_________
今は桜の蕾ほころび始め、春の息吹を感じる冬の終わりの日のこと
百鬼学園学園長 兼 賀茂あなたの保護者
《 蘆屋道満 》
とても不思議で特殊な賀茂家の少年
《 賀茂あなた 》
そう言うと道満はあなたの服の襟を掴んで部屋の外に引きずり出す
そしてようやく諦めたのかあなたは立ち上がって安倍家に行く準備に取り掛かった
あれから数年の月日が経った今日
あなたは“14歳の少年”へと成長していた
見た目はあの頃から更に大人っぽくなっている
実年齢は14歳だとしても、はたから見れば高校生や大学生と見間違われるぐらいだろう
今ではあなたは道満のことを“おじさん”ではなく“道満”と呼んでいる
道満もあなたのことを“あなたさん”ではなく“あなた”と呼び捨てで呼んでいる
それは『流石におじさん呼びは辞めてくれませんか??』という道満の一言から決まったものだ
そして二人は家を出て一反木綿タクシーを呼び、大阪の安倍家へと向かったのであった
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ーーー大阪・安倍家ーーー
安倍家のインターホンを鳴らして道満はそう言った
インターホンからそう声が聞こえて数十秒
家の扉が開いて中から狩衣を着た男性がこちらへ近づいてきた
頭を少し下げて挨拶をする
道満に引き取られてからは何度か遊びに来ているので、安倍家とは仲がいいのだ
すると扉から安倍神社の神主である雨明も家から出てきてこちらへとやってきた
そして二人は神社の方へと向かっていき、家の前にはあなたと雨明の二人が残された
雨明はそう言ってあなたを家の中はと入れる
またペコっと頭を下げて挨拶をする
そして雨明はあなたを居間へと連れて行って座敷布団の上に座らせた
そう話していると、居間の襖が開いてお盆を持ったママあきが現れた
そしてそのまま机の上にお菓子とジュースを置いていく
そう言ってママあきは襖を閉めてどこかへと行ってしまった
あなたは一般的な人間とは違う
しかし、だからといって同情されたり憐れだと思われることを嫌がっていた
だからこうやってどんなことを言っても軽く笑って話してくれる雨明にとても救われていた
そして雨明だけでなく、安倍家はみんな事情を知っていてもなお、あなたを普通の14歳の男子として扱ってくれるためあなたはとても心が楽だった
ジュースを飲もうとした雨明はその言葉を聞いて手に持ったコップを落としかける
※ツッコミ不在
そして雨明がスマホを取り出して何かを注文しようとしているのを見て、流石のあなたも焦って止める
雨明がしぶしぶスマホをポケットに入れるのを見て、あなたはそう言った
そう言うと二人は早速立ち上がって部屋を出て、そのままいつもの“稽古場”へと向かった













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。