第6話

壱《安倍家へ①》
1,010
2025/01/11 11:19 更新





そして時は流れて_________

今は桜のつぼみがほころび始め、春の息吹いぶきを感じる冬の終わりの日のこと






学園長がくえんちょう
あなた、どうして部屋から出てこないんですか




   百鬼学園ひゃっきがくえん学園長 兼 賀茂かもあなたの保護者

        《 蘆屋道満あしやどうまん 》   



あなた
ちょっと道満は黙ってて
あなた
今、有名な大学教授の講演を聞いてるから




   とても不思議で特殊な賀茂家の少年

        《 賀茂かもあなた 》



学園長がくえんちょう
はぁ…
学園長がくえんちょう
今から安倍家に行きますよ
あなた
うん、いってらっしゃい
学園長がくえんちょう
いやお前も行くんだよ

そう言うと道満はあなたの服のえりを掴んで部屋の外に引きずり出す
あなた
ちょ、引きずらないで!
学園長がくえんちょう
久しぶりに晴明君と雨明君に会いに行きたくないんですか?
あなた
会いたいけど大学の講演が……
学園長がくえんちょう
それ録画でしょう
学園長がくえんちょう
帰ってきてから見ればいいじゃないですか
あなた
でも……
学園長がくえんちょう
でもじゃない
学園長がくえんちょう
さっさと準備して行きますよ
あなた
………はい

そしてようやく諦めたのかあなたは立ち上がって安倍家に行く準備に取り掛かった

あれから数年の月日が経った今日



あなたは“14歳の少年”へと成長していた



見た目はあの頃から更に大人っぽくなっている

実年齢は14歳だとしても、はたから見れば高校生や大学生と見間違われるぐらいだろう
あなた
道満ー、準備終わったよー
学園長がくえんちょう
え、早くないですか?

今ではあなたは道満のことを“おじさん”ではなく“道満”と呼んでいる

道満もあなたのことを“あなたさん”ではなく“あなた”と呼び捨てで呼んでいる

それは『流石におじさん呼びは辞めてくれませんか??』という道満の一言から決まったものだ
学園長がくえんちょう
では早速安倍家に行きましょうか
あなた
うん、そうだね

そして二人は家を出て一反木綿タクシーを呼び、大阪の安倍家へと向かったのであった










____________________




________________




__________









ーーー大阪・安倍家ーーー


学園長がくえんちょう
すみません

安倍家のインターホンを鳴らして道満はそう言った
パパあき
『あぁ、学園長先生来てくれたんですね』
パパあき
『少し待っててください、今行きます』

インターホンからそう声が聞こえて数十秒

家の扉が開いて中から狩衣かりぎぬを着た男性がこちらへ近づいてきた
パパあき
あれ?あなた君もいるね
あなた
こんにちは

頭を少し下げて挨拶をする

道満に引き取られてからは何度か遊びに来ているので、安倍家とは仲がいいのだ
安倍雨明あべあまあき
お!あなたやんか
安倍雨明あべあまあき
えらい久しぶりやなぁ

すると扉から安倍神社の神主である雨明も家から出てきてこちらへとやってきた
学園長がくえんちょう
実は晴明君に用があるのですが…
パパあき
晴ですね
パパあき
それなら今は神社の社務所にいると思いますよ
学園長がくえんちょう
そうですか
学園長がくえんちょう
ならあなた、私たちは少し神社の方に行ってるからここで待ってください
パパあき
雨、あなた君を頼んだで

そして二人は神社の方へと向かっていき、家の前にはあなたと雨明の二人が残された
安倍雨明あべあまあき
とりあえず家ん中入ろか
あなた
うん

雨明はそう言ってあなたを家の中はと入れる
安倍雨明あべあまあき
母さん、あなたが来たで
ママあき
あら!あなた君いらっしゃい
あなた
おばさんこんにちは

またペコっと頭を下げて挨拶をする
ママあき
少し待っててね、今お菓子準備してくるから
ママあき
雨、あなた君を居間に案内してもらえる?
安倍雨明あべあまあき
おう、連れて行くでな

そして雨明はあなたを居間へと連れて行って座敷布団の上に座らせた
安倍雨明あべあまあき
にしても最近会いに来てくれへんかったなぁ
あなた
有名な大学の教授の講演見てたから…
安倍雨明あべあまあき
え、大学?
安倍雨明あべあまあき
でもあなたって今14歳やろ?
あなた
賀茂家の“特殊”については雨明兄さんには話したよね
安倍雨明あべあまあき
肉体の成長速度が速いってやつやんな
安倍雨明あべあまあき
そして成人を迎えるとそこからは“不老”になるっていう…
あなた
そうそう

そう話していると、居間の襖が開いてお盆を持ったママあきが現れた
ママあき
お菓子よ〜

そしてそのまま机の上にお菓子とジュースを置いていく
ママあき
私はまだすることがあるから、あなた君は雨とゆっくり話しててね
あなた
うん、ありがとうおばさん

そう言ってママあきは襖を閉めてどこかへと行ってしまった
安倍雨明あべあまあき
それで?なんで14歳やのにもう大学なんか…
あなた
だって日本の中学とか高校って簡単すぎて面白さがなかったからさ
あなた
それなら海外の大学で好きなことを学びたいなって
安倍雨明あべあまあき
へぇ…
あなた
てかそもそも見た目が高校生や大学生のやつが中学校に入学できねぇだろw
安倍雨明あべあまあき
まぁ、それもそうやなw

あなたは一般的な人間とは違う

しかし、だからといって同情されたり憐れだと思われることを嫌がっていた

だからこうやってどんなことを言っても軽く笑って話してくれる雨明にとても救われていた

そして雨明だけでなく、安倍家はみんな事情を知っていてもなお、あなたを普通の14歳の男子として扱ってくれるためあなたはとても心が楽だった
あなた
でも俺、もう大学卒業してんだよね
安倍雨明あべあまあき
は??

ジュースを飲もうとした雨明はその言葉を聞いて手に持ったコップを落としかける
安倍雨明あべあまあき
え、卒業……
あなた
丁度、今年の春にね
あなた
あ、日本じゃ飛び級制度とかまだないからもちろん海外の大学ね
安倍雨明あべあまあき
か、海外!?
あなた
今は色々な大学の教授の講演を聞いたりしてのんびり過ごしてるよ
安倍雨明あべあまあき
なんで……
あなた
ん?
安倍雨明あべあまあき
なんで………





























安倍雨明あべあまあき
入学式と卒業式呼んでくれへんかったんや…!
あなた
それはごめん、伝える暇がなくて…

※ツッコミ不在
安倍雨明あべあまあき
それならあなたの入学祝いとか用意しとったのに…
あなた
別にいいのに
安倍雨明あべあまあき
いいや俺が用意したかったんや
安倍雨明あべあまあき
…いや、今からでも渡せばギリギリ間に合うんとちゃうか…?
あなた
いや喜んで貰えるだけでも嬉しいから大丈夫だって……
あなた
というか雨明兄さん、ひとまずスマホをしまおうか??

そして雨明がスマホを取り出して何かを注文しようとしているのを見て、流石のあなたも焦って止める
あなた
それよりも今日は久しぶりに会ったんだし…






























あなた
“陰陽術”の稽古に付き合ってよ

雨明がしぶしぶスマホをポケットに入れるのを見て、あなたはそう言った
安倍雨明あべあまあき
………はぁ
安倍雨明あべあまあき
祝い品を贈れんのは悔しいけど…
安倍雨明あべあまあき
あなたがそう言うなら今からやろか
あなた
!ありがとう雨明兄さん

そう言うと二人は早速立ち上がって部屋を出て、そのままいつもの“稽古場”へと向かった































TETO
退魔の力って凄く強くて、みんなには秘密にしなきゃ!
TETO
退魔の力は晴明しか使えないんだ!

TETO
……とかっていうイメージあるじゃん
TETO
全然そんなことないよ
TETO
なんなら、晴明と雨明のひいおじいちゃんも退魔の力使えてたよ
TETO
妖怪封印してたよ
TETO
あと、晴明と雨明のお父さんも妖怪を封じる御札を作れるよ
TETO
なんなら雨明も退魔の力を封じる数珠を作ったり、妖怪を封じる御札とか作れるよ

TETO
つまり安倍家は妖怪たちにとって最強すぎる一家なんだよ😌
TETO
安倍家最高
推す👍️👍️👍️



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