第84話

デート
67
2021/04/25 09:22
私たちはあの後ほんとに5分後くらいに桐生くんの家を出た。
桐生くんはどこに行くのか聞いても教えてくれず、ただただ

「着いてこい」

とだけ言って無言で歩いて行ってしまったので、黙ってついて行った。







桐生くんはそのままタクシーに乗り込み、行き先の住所の書いた紙を運転手さんに渡すと、その後は私の事なんてお構い無しにスマホをいじり出した。





私もただ黙って乗っている訳にもいかず、スマホをいじることになった。
最近の私はぼーっとすることが多くて、SNSのチェックの時間があまりとれてなかったので、ちょうど良かった。って言えばちょうど良かったのかもしれない。
なんて考えながらスマホをいじっていた。









ーーーーーーーーー





桐生
桐生
おい。着いたぞ。おい。
わたし
わたし
え?!あ、うん、、。
しまった!!


いつの間にか寝ていたらしい。
すごい寝顔をしてたのではと、心配しながらその後の桐生くんの様子を見ていたが、特に何も寝顔については言ってこなかった。


つまり、ものすごくやばかったか、大丈夫だったかの2択ってことだ。
どうか後者でありますように。
桐生
桐生
おい。迷惑だから早く降りろ。
わたし
わたし
あ、はい、、!
やばいやばい。全然気づかなかった。







あぁ〜!もう!
私、考え事しすぎ〜!!
桐生
桐生
早く。
桐生
桐生
運転手の方が困ってるだろ。
わたし
わたし
あ、うん、、。
カチャ


わたし
わたし
ん?あ、ねえ、これ、、。
わたし
わたし
これ、、サングラス、??
桐生
桐生
あ、やば、。

桐生くんは急いで私の手から受け取った。




そして、急いでサングラスをかけた。
桐生
桐生
これ、付けてないとバレるだろ?
わたし
わたし
なるほど、、。
葉乃子になってから変装とかしなくなったけど、桐生くんは有名だから変装しなきゃダメだよね。
桐生
桐生
てか、早く降りろ。
いくら変装してるからってバレないとは限らないんだぞ。
わたし
わたし
あ、はい、!!
よくよく桐生くんを見てみたら、結構いつもと違うんだ。
全体的に服装は暗いし、髪の毛はボサボサだし、、。




ってか、家にいる時はあんなにキッチリ決めてたのに、着替えるのはやすぎ!
プロってすご、、


















ーーーーーーーーー



















どこに行くんだろ、、。
桐生
桐生
これからはお前が決めてもいい。
わたし
わたし
え?なに?急に
桐生
桐生
お前の人生だから、お前の好きなように恋していいと思うんだ。
わたし
わたし
どういうこと?
そんなの、私の自由にしていいならとっくにしてるよ。
桐生くんが押しかけてきたこともあるくらい、婚約を急かした人なのに、急に何を言うのさ。






桐生
桐生
恋とかは、お前の自由だと思うし、、
わたし
わたし
私には、無理なの、!!
わたし
わたし
そんなに勝手なことばっかり、言わないでよ、、ポロポロ
桐生
桐生
あ、ごめ、、泣かすつもりじゃ、、














その時だった、、。

















ガチャ







わたし
わたし
え、??

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