第2話

告白
495
2020/05/16 08:18
「好き、付き合ってくれない?」
初めて告白された高校1年の冬
『ごめんね、好きな人が居るから付き合えない』
震える声を抑えて断った。その時の手の震えは今までで1番だったと思う
「そっか。でも俺諦めないから」
『え、でも』
「好きな人がいるってだけで付き合ってないでしょ、ならまだ俺にもチャンスあるよね」
『…分からないよ』
「いいの、じゃあこれからよろしく」

そう言って歩いていく彼の後ろ姿を見てやっぱり好きだと思った

「ねえ、何で及川の告白断ったの?」
友達が勿体なとでも言いたそうに言ってくる。
普通に考えたらあれだけモテる人の告白を断るなんて普通しないだろう。
だけど
『私には勿体ない人だよ』
「あんたも充分可愛いからね?」
『あはは、ありがとう』
好きな人からの告白を受け入れられない自分が嫌になる。たけど、これも私にとって思い出の一つだ。

プリ小説オーディオドラマ