記録 ── 2018年 7月
西東京市
英集少年院
同・運動場上空
特級仮想怨霊(名称未定)
その呪胎を非術師数名の目視で確認。
緊急事態のため
高専一年生3名が派遣され
内1名 死亡
私はいつも、そこにいない。
友人が大変な目に合っているのに私はそこにいない
どんなに悔いても、自分の不甲斐なさに打ちのめされても時を巻いて戻す術はないと分かっているのに
どうして、涙は零れるのだろう。
泣いてる場合じゃない。
もっと強くならないといけないのに
悠二くんの分まで_____
今日は私は3人とは違う任務に来ていた
…呪霊。
人間の負の感情によって生み出された化け物
可哀想な生き物
呪いは祓わないといけない。
でも、呪霊本人は死ぬために生まれたようなものだ
いつか、死ぬために生きてるだけ
可哀想な生き物。
哀れな生き物だ。
華の呼吸 参ノ型
ザン、
霞草・白昼夢。
夢の中にいる感覚で、痛みを感じない慈悲の技
たまに、呪霊に使ってしまう。
こういう事を考えると、憎いよりも慈悲の心が強くなる
望まれて生まれてきた存在じゃない。
どれだけ悲しいだろうか。
人間じゃない。
正真正銘の化け物
でも、どこか可哀想に思えてくる
私が甘いだけなのだろうか
もう、わからない
……任務は終わったし帰ろう。
と言いたい所だけど、此処の近くに私の屋敷があった場所がある
行ってみよう。
私は虚しくも懐かしいと感じる屋敷を探し始めたのだった。
あった、あった。
華屋敷が…まだ残ってる
壊されてなかったんだ
外見もそのまんま
変わっていない。
懐かしい場所
泣きそうになった涙を引っ込めて、私は屋敷に足を踏み入れた
扉は開いたまんまだ
何故だろう。
もう、誇りや、塵で汚れても可笑しくないのに全然綺麗。
匂いもあの時のまんま
本当、懐かしい
私はまだ綺麗な屋敷をしばらく時間をかけて見て回った
此処が私の部屋。
何も変わってない
家具の配置とかもそのまんま
まるで、この屋敷だけ大正時代から生きてるような感じ
ふと、部屋を見渡すと机の上に日記が置かれているのが見えた
何の日記だろう。
私は身に覚えのない日記を興味半分で開いた
そこには、私が死んだあとの皆の生活が記録されていた。
どうやら、私の屋敷は隠の人達や隊士達が日替わりで掃除してくれたらしい。
炭治郎もカナヲと結婚して
善逸も伊之助も結婚したらしく
幸せに暮らしたって
良かった…幸せだったんだ
それが知れただけで嬉しいよ
でも、寂しいじゃん。
こんなの書き残さないでよ
会いたくなるじゃない
二度と会えないのに
あの日々に戻ることはないのに
もう、馬鹿じゃないの
優しすぎるんだよ、お人好しすぎるんだよ
あなた達は………
それだから、私の心は救われたんだよ
優しくて、明るくて、お人好しで
皆良い人だったから、私は幸せだった
みんな、大好きだよ
next.10×♡













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。